ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その5)



ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その5)

 朱鷺田祐介

当ブログAnalog Game Studies(AGS)は『エクリプス・フェイズ』(または『イクリプス・フェイズ』)公式サイト(Homepage | Eclipse Phase)で承認されているファンサイト(Fan Websites)の一つです( http://eclipsephase.com/resources )。


第4回はこちらで読めます。


 「エクリプス・フェイズ」の紹介その5は、Repの話。

 この連載は、7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」でGMするための、復習的なものです。7/16-18の北海道遠征@多彩の渦コンベンションにも持ち込む予定なので、夜の部あたりで遊べればと思っております。という訳で出かける前に更新(編注:本稿は朱鷺田祐介氏のウェブログ「黒い森の祠」からの転載であるため、初出時の時事的内容については、再掲の際にずれが生じる場合があります。あらかじめご了承ください)。

●Rep経済

 「エクリプス・フェイズ」は、未来を舞台にしたSF-RPGなので、太陽系開拓時代にあるだろう、さまざまな政治形態、経済構造、社会構造なども、テーマになっており、場所によってさまざまな体制があります。

 例えば、お金の話。
 「エクリプス・フェイズ」の太陽系では、貨幣(クレジットという貨幣単位があります)および貨幣的な信用をベースにした旧経済、相互補助の精神と行動評価を経済レベルまで高めた新経済、双方の過渡期である過渡期経済が用いられています。

 新経済では、Rep(レプ=評判)という、なかばボランタリーな社会貢献を、数値化し、これを使って他人から有形無形の好意を得ることができます。普段から、色々な貢献を社会に対して行っている人は、他の人々から助けてもらえるというもので、人徳や業績の評判数値化というべきものです。Repはいくつかの系統に分かれていますが、基本的に、太陽系全土のメッシュ(いわゆるネット)で共有されており、ゲーム中、PCは、このRepを使って、さまざまな支援を調達できます。

 例えば、ハビタット内での情報がほしい時、Repを使って道案内情報を得たり、一夜の宿を借りたりもできます。高いRepの人は、初めていった場所ですら、かなり危険な部分での手伝いが得られるかもしれません。

 Repは以下の系統に分かれます。

【REP】
ジ・@リスト (@-rep:アナーキスト、バルスーム、外惑星、スカム、タイタン):
市民ネット (c-rep:木星共和国、月=ラグランジュ連盟、モーニングスター・コンステレーション、惑星連合、ハイパーコープ):
エコ・ウェ-ブ (e-rep:ナノエコロジスト、保存主義者、地球奪還派):
フェイム (f-rep:名士、芸術家、豪遊家、メディア):
グアンジー (g-rep:三合会他、無数の犯罪組織):
ジ・アイ (i-rep:ファイアウォール):
RNA (r-rep:アルゴノーツ、工学者、科学者、研究者):

 これは、新たな経済体制に関する思考実験ですが、すでに皆さんも、2011年現在、ネット上の評判、あるいは、Twitterのフォロワー数(別名、戦闘力)などで「Rep」の形成過程を目撃されているはずです。

 >>>先日、これに対して、米軍がネット上のペルソナを大量に偽造するソフトウェアを開発しているというニュースもありましたね。>>>

 Repはゲーム的にも便利なものです。
 なぜなら、「評判」がそのまま経済力になりますから、PCの情報収集能力や資材調達能力をRepで表現でき、さらに、この新経済環境下では、初めていった場所でも、Repを使って、物資や支援の調達ができるのです。

 ヒーロー物などで、突然、手助けしてくれる人がいますが、そういう面をこれで表現できる訳です。

 そして、Repは評判ですから、それまでの行動が反映されます。キャラクター表現にも通じますし、キャンペーンでは、背景の勢力との関係をRepの変化で表現できます。


朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)
 TRPGデザイナー、ライター。スザク・ゲームズ代表。『シャドウラン4th Edition』の翻訳をシャドウランナーズとともに務める。代表作は『ブルーローズ・ネクサス』、『深淵 第二版』(ともにエンターブレイン)、『真・女神転生TRPG 魔都東京200X』(ジャイブ)など。TRPG以外の著作に『クトゥルフ神話ガイドブック』、『超古代文明』など(すべて新紀元社)。
 (『シャドウラン4th Editionリプレイ 旅する天使たち』新紀元社、2010より)