Analog Game Studies(アナログ・ゲーム・スタディーズ)&イイトコサガシ交流ワークショップ「現代によみがえるわらべ遊びの数々」IN 豊島区心身障害者福祉センター、レポート!(付記:「わらべ歌」歌詞リスト)


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Analog Game Studies(アナログ・ゲーム・スタディーズ)&イイトコサガシ交流ワークショップ「現代によみがえるわらべ遊びの数々」IN 豊島区心身障害者福祉センター、レポート!(付記:「わらべ歌」歌詞リスト)

 岡和田晃、協力:草場純

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 2012年3月29日(木)、Analog Game Studies&イイトコサガシ交流ワークショップ「現代によみがえるわらべ遊びの数々」が、豊島区心身障害者福祉センターにて開催されました。本ワークショップは、発達障害当事者の方々、支援者の方々、あるいは発達障害当事者の方々との楽しいコミュニケーションのチャンスを持ちたいと思われている方々が、ともに伝統ゲーム「わらべ遊び」(童遊び)を体験してみるという主旨のイベントで、今回が初の開催となります。

 Analog Game Studiesの紹介記事も併せてご覧ください。
http://analoggamestudies.seesaa.net/article/259355278.html

 近年、アナログゲームの福祉分野での応用が注目を集めています。Analog Game Studiesのメンバーも、さまざまな研究会やイベントに出席して学習を重ねておりますが、今回はいよいよ、東京都成人(大人)発達障害(アスペルガー・ADHD等)当事者会「Communication Community・イイトコサガシ」ピアサポート・グループ(以下、「イイトコサガシ」)さまと共催という形で、イベント開催を行なってみた次第です。

 参加者には、さまざまな経歴の方々がいらっしゃいました。発達障害当事者の方々、発達障害支援を学んでいる方々はもちろん、イイトコサガシ代表の冠地情さま、イイトコサガシ心理職アドバイザーの加藤澄江さま、Analog Game Studiesに「CBT的アプローチのセッション運営」を寄稿くださいましたゲームデザイナーの伏見健二さまも参加する形で、ワークショップは大いに盛り上がりました。

 当日の天気は快晴。屋上に上がって簡単な自己紹介を行ない、「お手ぶし」をはじめ、簡単なリズム遊びから、「石蹴り」のようにゲーム性豊かな遊びまで、草場純氏の進行のもと、無理をせず、休憩を挟みながら3時間あまり、童心にかえって遊びに熱中した次第です。私自身、北海道の田舎で過ごした子ども時代に、いとこたちと牧場で「ケンケンパ」に興じたことを思い出しました。

 参加者の許可をいただきまして、写真をいくつか紹介いたします。「天国と地獄」(石蹴り)のレクチャーを受けているヒトコマです。
天国と地獄.jpg
レクチャー.jpgジャンプ成功.jpg

 イイトコサガシの「会話によるコミュニケーション能力開発ワークショップ」では、メインの会話のワークショップの前に、「アイスブレイク」として、緊張を取り除くための簡単なゲームを行っています。童遊びには、こうした「アイスブレイク」の効果もあるのではないかと感じた次第です。

 これまで草場純氏は、さまざまな場所でわらべ遊びのレクチャーを行なってきました。また、ミニコミ誌「子どもプラスMini」連載の「草場純の遊び百科」にて、伝統ゲームの一貫として童遊びを紹介してきました。「子どもプラスMini」40号[2011年3月号]では、Analog Game Studiesを紹介いただいております。

 この童遊びは古くからの口承伝統という側面があり、時として差別や悪口に近いものが混じっていたりします。そうしたものについても、成立事情や背景情報がわかりやすく解説されることで、「差別」が容認されたり、ゲームを通して「差別」が助長されたりすることなどは一切なく、童遊びの本質を体感することができました。

 総じて参加者は皆、気分良くゲームに参加することができました。アンケート結果からみても、ご好評をいただいていたことが改めて確認できました。今後、またこのようなイベントを開催していければと感じた次第です。



 さて、童遊びはパフォーマンスなので記録に残りにくく、複雑ではないもののなかなか覚えにくいという面があります。しかし「わらべ歌」(童歌)と密着しているために、歌詞を見ればやった人は比較的簡単に遊びを思い出すことができるものと思います。

 そこで、本レポートでは童歌の歌詞をご紹介していきます。当日ワークショップに参加された方も、また童遊びに興味がある方も、知っている歌、聞いたことがある歌を探してみてください。

〈「わらべ歌」歌詞リスト〉(採録:草場純)

■青山墓地

♪青山墓地からお化けがひょ~ろひょろ
♪お化けの後から子豚がブーブー
♪子豚の後から桶屋さんがオッケオッケ
♪桶屋さんの後から子どもがジャンケンポン

■お手ぶし

♪おてぶしてぶし てぶしのなかは へ~びのなまやき かえるのさしみ いっちょうばこやるから まるめておくれ い~いや!

■からすかずのこ

♪か~らすかずのこ にしんのこ おしりをねらって かっぱのこ

■黒猫

♪家(うっち)のうっらの黒猫は、白粉つけて、紅つけて、ひっとに見られてちょいと隠す!

■堂々巡り

♪どーどーめーぐり こーめぐり あーわのめーしもいーやいや そばきりそうめん 食べたいな

■なかなかホイ

♪なかなかホイ そとそとホイ なかなかそとそと なかなかホイ
そとそとホイ なかなかホイ そとそとなかなか そとそとホイ

■あぶくたった

♪あーぶくたった にえたった にえたかどうだか食べてみよう
むしゃむしゃむしゃ まだにえない
あーぶくたった にえたった にえたかどうだか食べてみよう
むしゃむしゃむしゃ まだにえない
あーぶくたった にえたった にえたかどうだか食べてみよう
むしゃむしゃむしゃ もうにえた
「戸棚にしまって、鍵閉めて、…(以下家庭生活を即興で演じる)…、電気を消してもう寝ましょう。」
鬼「とんとんとん」
子「何の音?」
鬼「風の音。」
子「ああよかった。」
鬼「とんとんとん」
子「何の音?」
鬼「(即興)の音。」
子「ああよかった。」
(以下任意に繰り返す)
鬼「とんとんとん」
子「何の音?」
鬼「おばけの音!」
で、コドモ達は逃げる。

■あんたきらい(罰ゲーム)

♪ばかあほまぬけ おたんこなすかぼちゃ そっぱそっぱみそっぱ あんたきらい フン

■いろはに金平糖(身体感覚と課題解決の遊び)

♪いろはにこんぺいと

■ えべっさん(鬼決め)

♪どっちどっちえべっさん えべっさんにきいたらわかる

■おじいさんおばあさん(鬼交代)

♪おじいさんおばあさん なにくってかがんだ えびくってかがんだ

■今年の牡丹

[コドモは内向きの一重円、オニは少し離れたところにいる。]
コドモ [輪になって踊る]
♪今年の牡丹はよい牡丹 お耳をからげてスッポンポン もひとつからげてスッポンポン
♪今年の牡丹はよい牡丹 お耳をからげてスッポンポン もひとつからげてスッポンポン
[オニが来る]
オニ 「入れて」
コドモ「いや」
オニ 「どうして?」
コドモ「しっぽがあるから」
オニ 「しっぽ切ってくるから入れて」
コドモ「血が出るからいや」
オニ 「川で洗ってくるから入れて」
コドモ「川坊主が出るからいや」
オニ 「海で洗ってくるから入れて」
コドモ「海坊主が出るからいや」
オニ 「そんなら今度うちの前を通ったとき、天秤棒でひっぱたくぞ」
コドモ「じゃあ入れてあげる」
[オニが輪に入る]
コドモとオニ  [輪になって踊る]
♪今年の牡丹はよい牡丹 お耳をからげてスッポンポン もひとつからげてスッポンポン
♪今年の牡丹はよい牡丹 お耳をからげてスッポンポン もひとつからげてスッポンポン
[オニが抜ける]
オニ 「わたし帰る」
コドモ「どうして?」
オニ 「晩ご飯だから」
コドモ「おかずはなあに?」
オニ 「蛙となめくじ」
コドモ「生きてるの? 死んでるの?」
オニ 「生きてるの」
コドモ「じゃあさようなら」
[オニが去って行く]
コドモ「だれかさんの後ろに蛇がいる」
オニ 「わたし?」
コドモ「違うよ」
オニ 「ああよかった」
コドモ「だれかさんの後ろに蛇がいる」
オニ 「わたし?」
コドモ「違うよ」
オニ 「ああよかった」
コドモ「だれかさんの後ろに蛇がいる」
オニ 「わたし?」
コドモ「そう!」
[以下鬼ごっこ]

■どんど橋 (とおりゃんせ遊び)

♪どんどばしわたれ、さあわたれ。こんこがくるぞ、さあわたれ。

■なべなべ (ミキシング)

♪なべなべそっこぬけ、そっこがぬけたら かえりましょ。
なべなべそっこぬけ、そっこがぬけたら まわりましょ。



12/04/20追記:
 本レポートをお読みになった松本由香子さまが、「あぶくたった」の歌を歌い、動画としてご提供してくださいました。
 伝承遊び(童遊び)「あぶくたった」の歌です。
 以下、松本由香子さまのコメントとなります。

 私は昭和40年代後半~昭和50年代前半(1970年代)、神戸市灘区と中央区(旧・葺合区)で小学校時代を送りました。当時は近所の年齢の違う子どもたち十数名が小学校-や幼稚園が終わると集まって、路地や空き地、公園で様々な外遊びをしていました。
「あぶくたった」は怪談やごっこ遊び的な要素が含まれているためか、人気の遊びの一つでした。
Analog Game Studies(アナログ・ゲーム・スタディーズ)で「あぶくたった」の歌詞の採録を拝見して、懐かしくなったので歌ってみました。


 あぶくたった」がどんな歌だったのかご存知ない方、あるいは、久しぶりに「あぶくたった」を聞いてみたい方は、ぜひアクセスしてみてください。