Traditionelle japanische Spiele für Herr Reiner Kunizia

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Traditionelle japanische Spiele für Herr Reiner Kunizia

 草場純 (協力:クリスチャン・バウムバッハ、岡和田晃)

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 2013年3月23日、メビウスゲームズ20周年記念パーティーが催されました。そこでは世界的なゲームデザイナーであるライナー・クニツィアが招待され、東京の文京シビックセンターで講演を行ないました。その話もよかったのですが、翌日、折角日本に来たのだからと、私の提案で日本の伝統ゲームをクニツィア先生にレクチャーしようという運びになりました。
 以下はその時に用いた、クニツィア先生用の資料です。友人のクリスチャン・バウムバッハ氏にドイツ語訳してもらったのを渡しました。そちらも合わせて掲載いたします。

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■日本の伝統ゲーム

 こんにちは、ようこそおいでくださいました。心より歓迎いたします。
 せっかく遠路はるばるお越しくださったので、よくあるゲームではなく、昔から伝わる日本独特の伝統ゲームをいくつかご紹介いたします。ただし、これらは現代日本では決して一般的ではなく、むしろ知らない日本人の方が多いと思います。また時間がありませんので、実際にやっていただくのは「ごいた」程度で、あとはお見せするだけになると思います。
 お楽しみいただければ幸いです。

1:ごいた…石川県北部の宇出津(うしつ)地方の漁民に、19世紀中ごろから伝わる遊びです。日本のゲームには珍しいペア戦で、早く手札をなくした方が勝ちです。本来、独特の道具を使って遊びますが、それを私がカード化してみました。

2:投扇興(とうせんきょう)…日本のダーツですが、ダーツとはかなり趣が違います。18世紀後半に京都で考案された遊びで、扇を投げて的に当て、落ちた形で点をつけます。道具が日本的な美しさを持っています。

3:旗源平(はたげんぺい)…19世紀前半に石川県南部の金沢(かなざわ)で考案されたダイスゲームです。単純な遊びですが、道具立てはきれいです。

4:東八拳(とうはちけん)…19世紀中ごろに江戸(昔の東京)で考案された、アクションゲームです。きつね(だんなに勝つ)の動作か、だんな(鉄砲に勝つ)の動作か、鉄砲(きねに勝つ)の動作を、二人同時にします。これをリズミカルに繰り返し、三回連続して勝てば最終的な勝ちです。

5:手本引き(てほんびき)…一人の親(ディーラー)と何人かの子(プレーヤー)が対戦するギャンブルゲームです。親が1~6の数字カードを1枚伏せて出し、それを子が当てるというだけのゲームですが、独特の心理戦になります。

6:盤双六(ばんすごろく)…日本のバックギャモンです。日本には7世紀に伝わり、独特の発達をしました。現在ではバックギャモンにとってかわられた、滅びたゲームです。

7:うんすんかるた…九州の人吉(ひとよし)地方に伝わるカードゲームです。16世紀末にポルトガルから伝わったものが独特の発達をとげたトリックテーキングゲームです。

8:花札…これも7と同じくポルトガルから伝わったカードゲームが、別の発達をとげたもので、日本からさらに韓国、ハワイ、パラオなどに伝わりました。これは現在でも多くのプレーヤーがいます。カシノやスコポーネに似ています。

9:絵取り…18世紀にオランダから伝わったペア戦のトリックテーキングゲームで、現在は島根県の掛合(かけや)だけに伝わります。

10:ゴニンカン…9が、さらに変形したもので、20世紀初めから青森県で盛んにおこなわれています。

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Traditionelle japanische Spiele

Hallo und willkommen in Japan! Wir freuen uns alle wirklich sehr über
Ihren Besuch.

Als Dank dafür, dass Sie den weiten Weg auf sich genommen haben,
möchte ich Ihnen heute ein paar besondere, weniger bekannte Spiele
vorstellen, die traditionell in Japan gespielt wurden. Heutzutage sind
die Spiele leider etwas in Vergessenheit geraten, sodass selbst die
meisten Japaner sie nicht mehr kennen. Da wir heute nicht viel Zeit
haben, beschränken wir unser Testspiel auf das Spiel „Goita“. Die
anderen Spiele stelle ich Ihnen nur kurz vor.

1. Goita: Bei diesem Spiel aus der Mitte des 19. Jhd., dass von
Fischern aus dem Gebiet Ushitsu im Norden der Provinz Ishikawa stammt,
werden Teampaare gebildet, was für japanische Spiele ungewöhnlich ist.
Es geht darum, seine Hand möglichst schnell auszuspielen. Ursprünglich
wurde es mit speziellen Spielsteinen aus Bambus gespielt, doch ich
habe daraus ein Kartenspiel gemacht.

2. Tōsenkyō (Fächerwurf): Lässt sich ein wenig mit Darts vergleichen,
auch wenn es sich grundsätzlich anders spielt. Dieses Spiel wurde in
der zweiten Hälfte des 18. Jhd. in Kyoto erdacht. Dabei wird ein
Fächer auf ein Ziel geworfen und je nachdem, wie er zu liegen kommt,
werden unterschiedlich viele Punkte vergeben. Die Spielgegenstände
bringen die japanische Ästhetik zur Geltung.

3. Hatagenpei: Ein Würfelspiel, dass in der ersten Hälfte des 19. Jhd
in Kanazawa im Süden der Provinz Ishikawa erfunden wurde. Es ist ein
simples Spiel mit hübschen Utensilien.

4. T ō hachiken: Ein aktionsreiches Spiel, das Mitte des 19. Jhd. in
Edo (Alter Name von Tokio) erfunden wurde. Ähnlich wie bei
Stein-Schere-Papier zeigen zwei Personen gleichzeitig eins von drei
Handzeichen: Fuchs (gewinnt gegen Edelmann), Edelmann (gewinnt gegen
Gewehr) oder Gewehr (gewinnt gegen Fuchs). Rhytmisch (zur
musikalischen Begleitung) werden so lange Zeichen gezeigt, bis einer
der Spieler drei Mal hintereinander gewinnt und somit das Spiel für
sich entscheidet.

5. Tehonbiki: Ein Glücksspiel, bei dem ein „Elternteil“ (Dealer) gegen
mehrere „Kinder“ (Spieler) spielt. Der Dealer legt verdeckt eine Karte
von 1 bis 6 aus, die daraufhin von den Spielern erraten werden muss –
sehr einfach, aber mit einer interessanten psychologischen Komponente.

6. Bansugoroku: Japanisches Backgammon, das im 7. Jhd nach Japan
überliefert wurde und sich danach auf besondere Weise entwickelte.
Leider wurde es mittlerweile von Backgammon vollständig verdrängt.

7. Unsunkaruta: Ein Kartenspiel aus der Gegend Hitoyoshi auf der Insel
Kyushu, das sich aus ursprünglich aus Portugal überlieferten Spielen
entwickelt hat. Dabei müssen Stiche gewonnen werden.

8. Hanafuda: Wie Nr. 7 beruht auch dieses Kartenspiel auf einem
portugiesischem Ursprung. Die in Japan entwickelte Variante breitete
sich wiederum nach Korea, Hawai, Palau und in andere Länder aus.
Hanafuda wird heutzutage sehr beliebt. Es ähnelt Casino und Scopone.

9. Edori: Dieses Kartenspiel wurde im 18. Jhd. aus den Niederlanden
überliefert. Dabei müssen Spielerpaare Stiche erziehlen. Heutzutage
ist es nur noch in Kakeya in der Provinz Shimane lebendig.

10. Goninkan: Hat sich wiederum aus Nr. 9 entwickelt und wird seit
Beginn des 20. Jhd. in der Provinz Aomori gerne gespielt.

(Übersetzung:Christian Baumbach)

「視覚不要! RPG ~この町を救え~」レポート

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「視覚不要! RPG ~この町を救え~」レポート

 草場純 (協力:岡和田晃、齋藤路恵、田島淳)

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 2013年の10月5日土曜日13時~16時、高田馬場の日本点字図書館3階会議室にて、おそらく日本初、世界でもあまり例のないと思われる、視覚障碍者対象の会話型RPG(テーブルトークロールプレイングゲーム、TRPG)が行われました。参加予定の視覚障碍者は、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5人でしたが、AさんとCさんが仕事の都合で、Eさんが体調不良で不参加になったのが少々残念でした。特にAさんとCさんは、事前のテストプレーに参加してくださり(そういう意味では今回は「日本で2回目」だったとも言えますが)、本日の本番を楽しみにされていただけに残念でした。
 晴眼者(支援者)の参加者は6人、ゲームマスターを務めてくださった齋藤路恵さん、視覚障碍者用のゲームをいろいろ開発されているGさん、奥様が視覚障碍で私とはゲームを通じた30年来の付き合いのある私の二番弟子(笑)のHさん、それから点字図書館の職員の奥様と娘さんの、Iさんと、Jちゃん(9歳)、そして私こと、ここで30年間ゲーム会のお世話をしています、草場です。

 初めにごく簡単に自己紹介をし、それから齋藤さんから、RPGとは何ぞやという説明が、要領よくありました。ここで繰り返すこともないと思いますが、要するに「みんなでお話を創っていくゲーム」ということでした。言い換えれば「即興演劇遊び」で、「みんなはそれぞれ役割を考え、自分でその役割を演じていく」ということでした。
 ここで、Bさんから意見があり、「説明だけではイメージがつかみにくいので、やっているところを録音した資料があるといい」ということでた。なるほど。今後視覚障碍者向けRPGの普及を考えるならば、これは課題ですね。残念ながらこのセッション自体の録音も、手が回りませんでした。

 次に齋藤さんから舞台の提示がありました。
「ここは、1990年代の日本です。」
 しかし、予想外だったのですが、たまたま9歳の女の子がいたので、これはあまりよくなかったかもしれませんね。何せ生まれる15年も前のことは、私もなかなかイメージがつかめません。
 ともあれそうした背景を元に、各自自分の役割づくりをしました。普通はシートなどを使い、イラストを入れたりして仕上げるのですが、ここは全て言葉だけです。
 齋藤さんは、
「例えば、『私は料理の得意な売れない作家の伊藤です。』というように、役割(職業)を明確にして、名前はだれだか分からなくならないように本名をちょっとひねるとわかりやすいです。」
 という意味のことを言いました。これは今回特有の工夫だと思います。本来のRPGだと、思い切り本人から離れた方が良いのでしょうが、今回は耳だけで状況を捉えなければなりません。つかず離れずが大事なのだなあと思いました。
 さて、その結果は以下の様になりました。座り順です。

草場→自称発明家の関場
Bさん→政治評論家の坂東
Hさん→はやらない医者の林
Gさん→数学者の群馬
Iさん→看護師の相澤(途中参加)
Jちゃん→女子高生のじゅん(途中参加)
Dさん→町の小母さん堂本

 そこで齋藤さんから課題が出ます。
「今はみんなバラバラなところに居ますが、一人4発言、つまり4周発言が回って、合計20発言で全員どこかへ集まりましょう。」
(開始時点でIさんとJちゃん親子は居なかったので、5人プレー。)
 すったもんだの末 (妙な噂で株価が上がったり、はやらない林医院に突然患者が溢れたり)に、数学者一人を除いて何とか放送局に集まりました。
 たったこれだけのことですが、進め方や話し方がなんとか了解できました。易しいような難しいような…手でもこんな風に、何の条件もなく、チームがそれとなく作れるというのは面白いですね。
 偶然ですが、9歳の子も最初から参加より、先に見てからの参加はむしろ良かったかも。

 そこで、いよいよ本番の課題です。これは今の物語の後をうまく受けたものです。
 次に齋藤さんから3つの課題が出されます。基本は21発言(3周)でどこかに集まります。
 ミッションは、
1.謎の病気の原因を探る
2.病人を助ける
3.町の悪評を消す
 です。なかなかの難題ですね。
 何せ前の話の最後で、町は謎の病気の蔓延で封鎖されそうという大事になっています。

 初めは、右往左往ですが、やがて看護師と医者の活躍で患者の血(清?)中に微生物のようなものが発見され、女子高生の修学旅行で行ったタイ旅行に原因がありそうという話になり、数学者が祖父から貰ったお茶が病気に効きそうだと話になり、政治評論家の伝手でみんなでタイまで探査旅行に出かけることになったのでした。
 タイでもなかなか手がかりが見つからないのですが、やがてパパイヤマンゴーを食べて起こる風土病らしいということになり、またそれに効くお茶も同地でみつかり、日本に帰ることになりました。このお茶の成分の薬効で、謎の病気は一掃され、却ってそのことでこの町は国中の評判になったのでした。めでたしめでたし。

 こうして無事、町は救われました。要所、要所でダイスを振っての判定も適確で、でたらめのようででたらめでなく、予定調和のようで予定調和でないスリリングな展開になりました。小さい子も混じっての難しいセッションだったと思うのですが、みなんでゆっくり9歳の子の発言を待ちました。また、隣のお母さんの支えもあって、いろいろな活躍ができました。Jちゃんにとっては得難い体験になったことでしょう。看護師だけでなく、噂を集める町の小母さんも、病原菌を見つける一助となる発明家も、結果としてみんな所を得た活躍ができ、無事町に平和が戻ってよかったと思います。

 話し言葉以外に、ほとんど何も使えないような条件でゲームマスターを務めてくださった齋藤さん、ありがとうございました。この日はほぼ全員が初めての体験であったのに加えて、年齢層もまちまちであり、IさんJちゃん親子は少しあとから入られましたし、Hさんは所用で途中で帰られなくてはならなかったりと、いろいろ悪条件であったにもかかわらず、私を含めて全員が楽しい体験をすることができました。この方面の発展の、可能性を感じた3時間でした。
 参加された皆さんにも、厚く感謝をしたいと思います。

(※)個人情報保護の観点から、個人名をそれぞれ仮名処理させていただいております。ご理解いただけましたら幸いです。