【活動報告】 Analog Game Studies 各種活動報告( 2016 年 1 ~ 9 月)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【活動報告】 Analog Game Studies 各種活動報告( 2016 年 1 ~ 9 月)

 岡和田晃

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 2016 年 1 ~ 8 月の Analog Game Studies の活動報告をさせていただきます。

 新体制の Analog Game Studies では、遊戯史学会の分科会となったボードゲーム読書会@高田馬場と合流し、毎月、研究活動をしています。 1 ~ 8 月は毎月 AGS メンバーが参加いたしました。

 大著である Jon Peterson “ Playing at the World ” (2012, Unreason Press) をようやく読み終わりました。また、 Tracy Fullterton “ Game Desin Workshop ”日本語版(『中ヒットに導くゲームデザイン』、中本浩訳、ボーンデジタル、邦訳 2015 年)を少しずつ読み進めております。その他、『キリギリスの哲学』の訳者の論文、川谷茂樹「〈人生〉がゲームであるという可能性について」の講読を行いました。
 いずれも大著ですが、学習の成果をアウトプットに役立てることを目指しています。読書会の模様(動画)やレジュメの PDF は、ボードゲーム読書会のサイトからダウンロードできますので、ぜひアクセスしてみてください。

 最近では、電子版が発売されたばかりのイェスパー・ユール『ハーフリアル』の講読を行っております。こちらは校閲協力も兼ねておりまして、あとがきや巻末に AGS メンバーが言及&クレジットされています。名著ですので、ぜひご覧ください。

 また、ボードゲーム読書会では、「浄土双六」のテストプレイも行いましたが、こちらも草場純の現代語訳で発売されました。

 ボードゲーム読書会を除いた AGS の主な活動を下記で紹介していきます。

 2016 年 1 月発売の「 TH (トーキング・ヘッズ叢書)」 No.65 「食と酒のパラダイス!」には、岡和田晃と田島淳が共著「『ダンジョン飯』から広がるディープなファンタジーゲームの世界」を寄稿しました。『ウィザードリィ』や関連小説群に『アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ』の“ Wilderness Survival Guide ”、『ザナドゥ・データブック』、グローランサ世界の『トロウルパック』、菊地秀行『妖神グルメ』、ペトロニウス『サテュリコン』までをコアに紹介。

 同じく 1 月発売の『きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド』で、岡和田晃は都甲幸治氏×阿部賢一氏との鼎談で J ・ R ・ R ・トールキンや『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の話をしています。

  2 月 7 日には東洋文庫で《ゲームデザイン討論会―公開ディスカッション 2016 年》 . が開催。大盛況でした。司会が蔵原大、パネル参加者に草場純。詳細は待兼音二郎氏・岡本充弘氏のレポートをご覧ください。

  2 月 11 日は、岡和田晃のゲームマスターにて、『ルール・ザ・ワールド ワイルド 7 』をゲストにいたる氏、沢田大樹氏、市川大河氏をお迎えしてプレイしました。この経験をもとに、 2 月 14 日にはいたる氏、沢田大樹氏、岡和田晃が高梨俊一氏のインタビューを行いました。

  2 月 29 日にはウォーゲームを強化。 GDW 社の SF ゲーム「メイデイ」と、中嶋真氏デザイン「三十年戦史」(「ダブルチャージ」 4 号)をプレイしました。

  3 月 7 日には AGS でも告知された「クク大全を遊ぶ会」を開催。日本式クク、インディアンクク、イタリアクク 1 、イタリアクク 2 、イタリアクク 3 、 5 枚キッレ 1 と、 7 種類の『クク』を体験。レポートは Togetter にまとめられています

  3 月 14 日は、 AGS 内でのスーツ『キリギリスの哲学』講読と、リュディガー・トルンのカードゲーム『アサンテ』、高梨俊一氏デザインのウォーゲーム「ドイッチュラント・ウンターゲルト」(「タクテクス」版)をプレイしました。

  3 月 19 ~ 20 日には岡和田晃が第 10 回 TRPG 文華祭にゲスト参加。『ウォーハンマー RPG 』と『エクリプス・フェイズ』を GM 、トークショーにも参加しました。

  3 月 21 日には田島淳の GM で『ルーンクエスト 90 ’ s 』をプレイしました。参加者は伊藤大地、岡和田晃。ゲストは北島一幸氏、なるねこ氏。

  4 月 5 日は、「ぷち伏見健二祭り」として、伏見健二氏デザインの二人用 RPG 『ピークス・オブ・ファンタジー』と、同じく伏見健二氏のウォーゲーム「八王子城攻防戦」(「ウォーゲーム日本史」 15 号)をプレイしました。

  4 月 14 日~ 7 月 28 日まで、岡和田晃が共愛学園前橋国際大学で「ポップカルチャー論」を開講(全 15 回)。

  4 月 24 日は岡和田晃の GM で『エクリプス・フェイズ』をプレイ。プレイヤーに蔵原大、ゲストに小野憲史氏、金澤尚子氏、市川大河氏。

  4 月には草場純が待望の単著『遊びの宝箱』をスモール出版から刊行。大好評を博しております。また、 Trick Taking Party ゲーム賞の選考委員に就任。「 Role&Roll 」 Vol.140 の『エクリプス・フェイズ』特集内、緑一色氏のコミック「スピタのコピタの!」に岡和田晃が参加。翌 Vol.141 以後は翻訳チーム名義から岡和田晃名義になる形で参加しています。


 また、「トーキング・ヘッズ叢書」 No.66 「サーカスと見世物のファンタジア」には岡和田晃と田島淳が執筆参加。『トンネルズ&トロールズ』のソロ・アドベンチャー「サイドショー」のレビューや、「ロック・ミュージックと RPG 文化(その 1 )」を寄稿しました。

  5 月 2 日には田島淳の GM で『ルーンクエスト』をプレイしました。参加者は伊藤大地、岡和田晃、蔵原大。ゲストにヤピロ氏、ヨンギ氏。

  6 月 5 日には共愛学園前橋国際大学で開催された「ポップカルチャー論」のワークショップでゲスト講師の草場純が講師の岡和田晃と一緒に、わらべ遊び「なかなかホイ」に「青山墓地」と、ドミノのインストを行いました。

  6 月 12 日には共愛学園前橋国際大学で開催された「ポップカルチャー論」のワークショップで、ゲスト講師の岩田恵氏と講師の岡和田晃が RPG 『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』をモデルにしたキャラクターメイクのワークショップを行いました。

  6 月 30 日には待望の『エクリプス・フェイズ』基本ルールブック日本語版がついに発売となりました。岡和田晃、高橋志行、仲知喜が翻訳チームに参加。蔵原大が校正協力。 AGS もスペシャル・サンクスにクレジットされております。

  7 月 7 日には共愛学園前橋国際大学で開催された「ポップカルチャー論」のワークショップでゲスト講師の近田全史氏が講師の岡和田晃と、『ローズ・トゥ・ロード』( 2010 年版)の簡易版を用いた RPG のワークショップを行いました。

  7 月 14 日には共愛学園前橋国際大学で開催された「ポップカルチャー論」のワークショップで、ゲスト講師の徳岡正肇氏と岩田恵氏が、講師の岡和田晃とともに『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』を用いたワークショップを行いました。

  7 月 25 日には岡和田晃がスイッチゲームズの『エクリプス・フェイズ』体験会にゲスト参加。『エクリプス・フェイズ』のゲームマスターをしました。同じく、 7 月発売の「 TH (トーキング・ヘッズ叢書)」 No.67 「異・耽美〜トラウマティック・ヴィジョンズ」には岡和田晃と田島淳が執筆参加。特集でサム・チャップ&アンドリュー・グリーンバーグ『ノド書』のレビューや、「ロック・ミュージックと RPG 文化(その 2 )」などを寄稿

 8 月 25 日の CEDEC2016 では、蔵原大が「行政、広報、ゲームの「今」―無料ゲームアプリ「自衛隊コレクション」はどのように企画・開発されたか?―」と題して発表
  4Gamers.com で徳岡正肇氏がレポートしています。

  8 月の「 Role&Roll 」 Vol.143 では岡和田晃の手になる『エクリプス・フェイズ』のゲームシナリオ「スパイダー・ローズの孤独」が掲載。また「ナイトランド・クォータリー Vol.6  奇妙な味の物語」には、ケン・リュウの『エクリプス・フェイズ』小説「しろたえの袖(スリーヴ)――拝啓、紀貫之どの」(翻訳:待兼音二郎氏)と、岡和田晃の解説「トランスヒューマン時代の太陽系――『エクリプス・フェイズ』とシェアードワールド」が掲載。

  9 月 3 ~ 4 日の JGC2016 では、サンセットゲームズの『ハーンマスター』体験会に伊藤大地と岡和田晃がゲームマスターで参加。また、岡和田晃は JGC 内の「 R-CON 」で『エクリプス・フェイズ』と『ガンドッグ・リヴァイズド』のゲームマスターと、新作発表会への出演を行いました。『ハーンマスター』に関しては、お待たせしていました『雛菊の野』の発売の見通しがたちました。

  9 月 17 日は「なかよし村とゲームの木」の第 26 回クク大会。終了後、第 2 回「クク大全を遊ぶ会」を開催、「クックー1」をプレイしました。

 また、新しく始まった株式会社ブックリスタの書評 SNS 「シミルボン」に、岡和田晃蔵原大田島淳が参加しています。こちらもご覧ください。

【活動報告】Analog Game Studies各種活動報告(2015年9~12月)&ゲームデザイン討論会のお知らせ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【活動報告】Analog Game Studies各種活動報告(2015年9~12月)&ゲームデザイン討論会のお知らせ

 岡和田晃
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 2015年9~12月のAnalog Game Studiesの活動報告をさせていただきます。
 新体制のAnalog Game Studiesでは、遊戯史学会の分科会となったボードゲーム読書会@高田馬場と合流し、研究活動をしています。
 G.バウアー『ギャンブラー・モーツァルト』(吉田耕太郎・小石かつら訳、春秋社、邦訳2013年)を読了し、現在は、Jon Peterson “Playing at the World” (2012, Unreason Press)、Tracy Fullterton“Game Desin Workshop”日本語版(『中ヒットに導くゲームデザイン』、中本浩訳、ボーンデジタル、邦訳2015年)を少しずつ読み進めております。いずれも大著ですが、学習の成果をアウトプットに役立てることを目指しています。読書会の模様(動画)やレジュメのPDFは、ボードゲーム読書会のサイトからダウンロードできますので、ぜひアクセスしてみてください。


 今回のボードゲーム読書会に参加しているAGS顧問の草場純、またボードゲーム読書会主宰の沢田大樹氏による講義録を収めた『ボードゲームのいろはにほへと』(ペンタメローネ)が、11月22日のゲームマーケット2015秋で頒布されました。同ゲームマーケットでは草場純が、ゲームマーケット大賞の選考委員として活動しています。
 2015年10月に発売された黒宮公彦『クク大全 ルール・ヴァリアント・歴史』(ニューゲームズオーダー)には、草場純が帯文を寄稿しています。

 それとは別に、9月4日~6日のJGC2015では、AGSの岡和田晃と田島淳が、プロジェクト・ハーンの一員として、サンセットゲームズのブースにて『ハーンマスター』体験会を開催いたしました。AGSでもその活動をご紹介したことがある作家の長谷敏司氏がご来場くださいました。
 また、AGSメンバーが実験的に行なっているゲーム会では、9月21日に田島淳のゲームマスターで『ストームブリンガー』第二版(ケン・セント・アンドレ、スティーブ・ペリンがデザイン)のテストプレイを行いました。使用したのは伏見健二氏デザインのシナリオ「紫水晶と鮮血」。ゲストとして作家の片理誠氏をお招きしました。
 これらのイベントの模様は、「TH(トーキング・ヘッズ叢書)」No.64の記事「死と隣りあわせの世界で、「感情と意志の交錯」を追体験 『ストームブリンガー』第二版と、伏見健二「紫水晶と鮮血」」(岡和田晃)で詳しく紹介されています。

 なお、この号には、岡和田晃が奥谷道草(HUGO HALL)『オモシロはみだし台湾さんぽ』のレビュー、安田均監修、河野裕・友野詳・秋口ぎぐる・柘植めぐみ著『ブラックミステリーズ 12の黒い謎をめぐる219の質問』のレビューをそれぞれ寄稿し、また田島淳が「氷川霧霞編『TRPGシナリオ作成大全』Vol.5を詳細に論じております。『TRPGシナリオ作成大全』Vol.5のレビューについては、「氷川TRPG研究室」でもご紹介いただきました

 10月12日は、『クトゥルフの呼び声』(『クトゥルフ神話TRPG』)をプレイしたことがない、という伊藤大地のために、北島一幸氏をゲストにお迎えして、岡和田晃のキーパーで『クトゥルフ・ダークエイジ』をプレイしました。
 使用したのは「Worlds of Cthulhu」誌のIssue 01に掲載されたシナリオ「The Vampire of Schwarzbrunn」でした。今回のプレイ経験は「ナイトランド・クォータリー Vol.03 愛しき幽霊たち」に掲載された論考「H・P・ラヴクラフトと煉獄の徴候 ストーカー、レ・ファニュ、アイリッシュ・ヴァンパイア」(岡和田晃)に強い影響を与えています。

 11月23日には、ゲストの北島一幸氏のゲームマスターで、モンテ・クックがデザインした「Numenera」がプレイされました。このプレイ経験を反映して、岡和田晃は「図書新聞」2015年12月12日号「〈世界内戦〉下の文芸時評 第10回 「均質な空間」をサクリファイスする、世界観構築とその物象化」で「Numenera」への言及を行ないました。
 また、12月20日には、作家の高橋桐矢氏、ライターの市川大河氏をゲストに迎えて、岡和田晃のゲームマスターで『エクリプス・フェイズ』がプレイされました。
 『エクリプス・フェイズ』は、日本SF作家クラブ公認ネットマガジン「SF Prologue Wave」でのコラボレーション企画が継続しており、また2016年には基本ルールブック日本語版が出版される予定です。

 蔵原大は、「SF Prologue Wave」2015年11月20日号に「ウォーゲーム研究大会・参加談―イギリスで戦略をプレイするということ」を寄稿。12月5日の遊戯史学会例会では司会をつとめました。2016年2月7日の「ゲームデザイン討論会―公開ディスカッション2016.02.07」を企画、運営しています。AGSからは草場純がコメンテーターとして参加、蔵原大が司会進行役を担当する予定です。

 最後になりましたが、2015年度から蔵原大が東京電機大学の非常勤講師に、岡和田晃が共愛学園前橋国際大学の非常勤講師に、それぞれ就任いたしましたことをご報告いたします。

【活動報告】Analog Game Studie各種活動報告(2015年5~8月)&『ハーンマスター』体験会のお知らせ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【活動報告】Analog Game Studie各種活動報告(2015年5~8月)&『ハーンマスター』体験会のお知らせ

 岡和田晃
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 2015年5~8月のAnalog Game Studiesの活動報告をさせていただきます。

 新体制のAnalog Game Studiesでは、遊戯史学会の分科会となったボードゲーム読書会@高田馬場と合流し、The Oxford History of Board Games (David Parlett, 1999)、バーナード・スーツ『キリギリスの哲学』(川谷茂樹&山田貴裕訳、ナカニシヤ出版、邦訳2015)といったテクストをメンバーが毎月、読み進めております。

 それとは別に行なった試験的なゲーム会では、ゲストに北島一幸氏、倉数茂氏らを迎え、2015年5月には『パラノイア 【トラブルシューターズ】』、8月には『エクリプス・フェイズ』をプレイすることができました。

 これらの活動と並行して、7月30日発売の「TH(トーキング・ヘッズ叢書)」No.63では、岡和田晃が安田均&秋口ぎぐる『アルケリンガの魔海』のレビュー等を、田島淳が『パラノイア 【トラブルシューターズ】』論を、またゲストの西村遼氏は「東京マッハVol.14 そして夏 そして浅草男祭り」のレポートを、それぞれ寄稿しています。

 8月14日に頒布された「TRPGシナリオ作成大全 Volume 5」ででは、高橋志行が「馬場秀和RPG論集註解:ゲームマスターの「自律の思想」を読み解く」を寄稿しています。
COHQr9iUwAEodpK
 8月25日に発売された「SFマガジン」2015年10月号「特集 伊藤計劃」では、岡和田晃が「伊藤計劃読者に薦める「次の10冊」ガイド【ノンフィクション】」内にて、ケイティ・サレン&エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』を紹介しています。

 8月28日に発売された「ナイトランド・クォータリーvol.02 邪神魔境」では、岡和田晃が「ケルトの原像と、破滅的リアリズム――フィオナ・マクラウドとRPGから、ロバート・E・ハワードの“昏さ”を捉える」を寄稿。仲知喜がアドバイスと資料提供を行ないました。ヒロイック・ファンタジーの定義の再考にまで遡行し、そこから『クトゥルフ神話TRPG』や『ウォーハンマーRPG』のある部分にも通じる、ケルト性について思考しています。その他、岡和田は「Role&Roll」ほか各誌・新聞等で精力的に活動しています。

 AGS顧問の草場純氏の活動は、多岐にわたるため、また別項で紹介いたします。

 また、これは9月の活動となりますが、ジャパンゲームコンベンション(JGC)2015のサンセットゲームズのブース内にて、本格ファンタジーRPG『ハーンマスター』の体験会を開催します(JGC2015の会期は9月4~6日ですが、体験会は5日と6日)。詳細は日本SF作家クラブの公式ウェブサイトで告知されていますので、こちらをご覧くださいませ

【活動報告】Analog Game Studie各種活動報告(2015年3~4月)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【活動報告】Analog Game Studie各種活動報告(2015年3~4月)

 岡和田晃
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 2015年3~4月のAnalog Game Studiesの活動報告をさせていただきます。

 新体制のAnalog Game Studiesでは、遊戯史学会の分科会となったボードゲーム読書会@高田馬場と合流し、EUROGAMES: The Design, Culture and Play of Modern European Board Games (Stewart Woods, 2012)、The Oxford History of Board Games (David Parlett, 1999)といったテクストをメンバーが毎月、読み進めております。

 それとは別に行なった試験的なゲーム会&読書会では、ゲストに西村遼氏、汐月陽子氏を迎え、2015年3月にはボードゲーム『ゴーストハンター13 タイルゲーム ディアブロ・ドゥ・ラプラス』、カードゲーム『ポイズン』に『ブラックストーリーズ』をプレイし、また4月に内村博信『ベンヤミン 危機の思考』(未來社)を最後まで読み終えることができました。

 これらの活動の成果として、4月30日発売予定の「TH(トーキング・ヘッズ叢書)」No.62では、岡和田晃が「ゲームデザイン討論会 公開ディスカッション」や『ゴーストハンター13 タイルゲーム』等のレビュー、田島淳が門倉直人『闇と炎の狩人』(新版)、『ウォーハンマーRPG』(重版)のレビュー、ゲストの西村遼氏はロールプレイングポエム『光より遅く』のレビューを、それぞれ寄稿しています。

 5月13日頃発売予定の「ナイトランド・クォータリーvol.01 吸血鬼変奏曲」では、岡和田晃が「ヴァンパイアの情念、理性への叛逆――カーミラとジュヌヴィエーヴ、神話的思考とリアリズム」を寄稿。吸血鬼文学の伝統をふまえたうえで、会話型RPG『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』を論じています。
 また、先の両名のほか、伊藤大地らAnalog Game Studiesのメンバーも参加していた「『ウォーハンマーRPG』体験会」等の活動が一助となり、『ウォーハンマーRPG 基本ルールブック』のエラッタ適用済の重版が刊行されました。初版より9年ぶりの快挙です。詳しくは公式ホームページをご参照ください。

 AGS顧問の草場純は精力的な活動をしています。4月に限っても、「4月は1日水にドラフツ例会、3日金にブリッジ例会、4日土に点字図書館でゲームを教え、赤桐さんのカードゲーム講座、5日日にSF乱学講座に参加、6日月にごいた例会、7日火に新橋のゲーム会に参加、8日水に大宮のゲームスペース訪問、9日木に子ども夢パークで童遊びの指導、ヤポンブランド会議、10日金は麻雀、11日土はポーカートーナメント予選を見学、夜はボードゲーム、12日日は、故石見博昭氏のお別れ会、柏ボードゲームの会に参加、13日はあそべえで子供達と遊び、14日はギャモン例会に参加、15日水は『草場純の遊び百科』の編集会議、16日水はフランスのゲームイベント運営者たちとの交流会、17日金はブリッジ、18日土はパズル懇話会の後、JAGAへ行って5月5日の八八教室の打ち合わせ、それからアブストラクトボードゲームミュージアムに行って、5月16日のアブストラクト会の打ち合わせ、夜はウィザード大会。19日日は四谷のおもちゃ美術館で子供たちにゲームを教え、雷門で東八拳の試合、21日火はニコリでゲームを教え、22日水は大井町のマーブルでトランプ夜会、23日木は高次脳機能障碍者自助グループ調布ドリームでゲームの指導、24日金はボードゲーム読書会25日土はドミノ大会を主催、26日日は選挙に行ったあと雷門で東八拳、中目黒で新ボードゲーム党に参加、それから四谷のカフェオハナゲーム会へ。28日火はツイッターでゲームデザイン討論会、29日水は北ゲーム会と、西新井のなべやゲーム会に参加。30日木は取手のゲーム合宿に出かけます。5月は5日火にゲームマーケット、23日土に遊戯史学会が予定されています。」というのが、本人の筆になる活動記録・紹介となります。

【活動報告】Analog Game Studies第17回~20回読書会報告&新体制のお知らせ、各種活動報告

―――――――――――――――――――――――――

【活動報告】Analog Game Studies第17回~20回読書会報告&新体制のお知らせ、各種活動報告

 岡和田晃
―――――――――――――――――――――――――

 2014年のAnalog Game Studiesの活動報告をさせていただきます。
 まず、2014年1月の第17回、2014年3月の第18回、2014年5月の第19回の3回で、ケイティ・サレン&エリック・ジマーマンの『ルールズ・オブ・プレイ』(下巻、ソフトバンククリエイティブ)を通読いたしました。これらの会合では、狭義のゲームの話題のほか、例えば戦略論、サッカー、本格ミステリにおける「後期クイーン的問題」など、多様な議論が行なわれました。

 2014年7月の第20回では、明神下ゲーム研究会との合同で、増川宏一『盤上遊戯の世界史』(平凡社)の読書会を行ないました。明神下ゲーム研究会のメンバーにはこれまで、Analog Game Studiesでデザイン中のゲーム作品のテストプレイ協力等もいただいております。

 20回の読書会を達成したことを一つの区切りとしまして、2014年10月からは、AGSメンバーの環境変化もふまえて若干活動スタイルを変更し、新体制で、学術および文芸ジャーナリズムとの連携をいっそう強化していくことになりました。
 まず、AGSメンバー有志が「ボードゲーム読書会@高田馬場」と合同することで、より学術的な側面のアウトプットを目指していきます。これまで、Avedon and Sutton-Smith “The Study Of Games”、Cornell and Allen “War and Games”といった英語文献を読み進めるとともに、伝統ゲームの研究発表なども共有して参りました。
 この「ボードゲーム読書会」は遊戯史学会の分科会として承認され、3月には【ゲームデザイン討論会―公開ディスカッション2015.03.14】を開催する予定です。

 加えて2014年10月からは、AGSメンバー有志に、随時ゲスト参加者を交えつつ、ゲームと文芸の交点を模索するためスチームパンクRPG『キャッスル・ファルケンシュタイン』のキャンペーン・プレイと内村博信『ベンヤミン 危機の思考』(未來社)の読書会を交互に行なうという試験的な試みを開始して参りました。こちらは「TH(トーキングヘッズ叢書)」(アトリエサード/書苑新社)No.61「レトロ未来派」(スチームパンク特集)への執筆参加ということで、一つの成果を生むことができました(後述)。

 今後ともAnalog Game Studiesは、より良いアウトプットを行なうために、研鑽を続けて参ります。

 このおよそ1年の間に、Analog Game Studiesのメンバーが行なった活動の一部をご紹介していきます(AGS内記事執筆・査読等を除く)。

 顧問の草場純氏は、AGSのこちらのエントリでも紹介されているような各種ゲーム会を主催するとともに、船橋の「買い将棋」のルールを取材したり、ゲームマーケット大賞の審査委員長をつとめるなどし、その存在感を発揮しました。盤双六の新資料を発見し、その研究も行なっております。さらに、Twitter上で行なわれているゲームデザイン討論会は遊戲史学会の試みとなり、現在まで8回を数えています。
 出版関係では、赤桐裕二『トランプゲーム大全』(スモール出版、2014年11月発刊)や、2015年10月発刊予定の、『クク』についての書籍などに協力しています。

 代表の岡和田晃は、「Role&Roll」に連載されている『エクリプス・フェイズ』関係の記事、および「SF Prologue Wave」の『エクリプス・フェイズ』企画に毎号協力しています。「Role&Roll」では「戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典」の執筆も引き続き行っています。
 共著『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』(未來社、2014年1月)は日本図書館協会の選定図書となり、『北の想像力 〈北海道文学〉と〈北海道SF〉をめぐる思索の旅』(寿郎社、2014年5月)は第35回日本SF大賞の最終候補作となりました(選考会は2月中旬頃に行われます)。また単著『向井豊昭の闘争 異種混交性(ハイブリディティ)の世界文学』(未來社、2014年7月)のほか、共訳書・共著を合計3冊刊行いたしました。
 AGSをご覧の皆さまへ特にお読みいただきたいのは、川上亮『人狼ゲーム BEAST SIDE』(竹書房文庫、2014年4月)、仁木稔『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』(早川書房、2014年4月)、浦賀和宏『頭蓋骨の中の楽園』(講談社文庫、2014年9月)に寄せた解説文です。『人狼ゲーム BEAST SIDE』では「人狼」の起源と現在を考え、『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』では、ゲーミフィケーションを論じ、また『頭蓋骨の中の楽園』ではゲームAIを批評的に考えてみました。

 また、『狂気山脈の彼方へ』(創土社、2014年12月)に収められたHUGO HALL氏のゲームブック「レーリッヒ断章の考察」のお手伝いをしており、こちらもチェックをいただけましたら幸いです。

 講演やゲーム関係のイベントも活発に開催し、『エクリプス・フェイズ』体験会のほか、ジュンク堂書店や東京堂書店で講演やトークイベントを行ない、また2014年10月の日本近代文学会秋季大会でのパネル発表「世界内戦と現代文学――批評と創作の交錯」に出演、文学についての学会発表で領域横断的にゲームについての言及も行ないました。

 蔵原大は遊戯史学会の理事に就任し、各種活動を精力的に行なっております。また、「SF Prologue Wave」にオリジナル小説「『真夏の夜の夢』作戦」を発表。齋藤路恵との共著で『エクリプス・フェイズ』小説「マーズ・サイクラーの情報屋」も発表し、評判を集めました。

 田島淳は、昨年に引き続いてジャパンゲームコンベンション(JGC)2014の『ハーンマスター』体験会でゲームマスターをつとめ、また2014年10月にはイイトコサガシのファシリテーター研修の講師として、先鋭的なルールシステムの未訳RPG『Becoming』をプレイし、好評を得ました。
 加えて、田島は「TH(トーキング・ヘッズ叢書)」でライターとして文芸とRPGをつなぐレビュー活動を開始し、No.59では『北の想像力』、No.60では岡田剛『十三番目の王子』、No.61では門倉直人『失われた体』のレビューをそれぞれ寄稿しています。

 仲知喜は「TH」No.61の「エッジの利いたスチームパンク・ガイド」に参加し、RPG『ヴィクトリアンエイジ・ヴァンパイア』、アラン・ムーアほか『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』、チャイナ・ミエヴィル『ペルディード・ストリート・ステーション』のレビューを寄稿しています。『ペルディード・ストリート・ステーション』のレビューはAnalog Game Studiesの「【レビュー】RPGゲーマーのための『ペルディート・ストリート・ステーション』ガイド」とセットでお読みください。

 「TH」No.61の「エッジの利いたスチームパンク・ガイド」は岡和田の編になるもので、岡和田は「世界劇場と吸血鬼ジュヌヴィエーヴ」(「TH」No.58、AGS記事の改稿)、「サイバーパンクとクトゥルフパンク」(「TH」No.59)、「サイバーパンクとゴシックパンク」(「TH」No.60)の文脈をふまえた批評文「スチームパンクと崩壊感覚、歴史への批評意識としての「パンク」」を寄稿。また、キース・ロバーツ『パヴァーヌ』、ギブスン&スターリング『ディファレンス・エンジン』、マイケル・ムアコック『グローリアーナ』、佐藤亜紀『1809』、フォルカー・デース『ジュール・ヴェルヌ伝』のレビューを執筆しました。

 なお、田島淳は「エッジの利いたスチームパンク・ガイド」のうち、『キャッスル・ファルケンシュタイン』、RPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ エベロン』、それに沙村広明「エメラルド」のレビューを「エッジの利いたスチームパンク・ガイド」にも寄稿しています。「スチームパンク」を軸に、AGSがこだわってきたゲームと文芸の交点を探る試みで、成果を残すことができました。

【活動報告】Analog Game Studies第11回~16回読書会報告&各種活動報告

【活動報告】Analog Game Studies第11回~16回読書会報告&各種活動報告

 岡和田晃
―――――――――――――――――――――――――

 Analog Game Studiesのサイト移転に伴い、活動報告が遅れておりましたが、その後も読書会は続いております。2013年3月の第11回では、杉山正明『モンゴル帝国と長いその後』(講談社)を扱いました。中世世界を席捲したモンゴル帝国、その成立が世界に与えた影響を振り返ることで、「ポスト・モンゴル時代」の現代を解釈し直す、といった内容で、アカデミズムとジャーナリズムにおける言説のあり方、西洋中心主義的な歴史学へのオルタナティヴについてなどが議論されました。

 2013年5月の第12回では、石光泰夫『身体 光と闇』(未來社)を扱い、映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』等を参照しつつ、身体と観念、そして近代資本主義社会の関係について幅広い議論が交わされました。

 2013年7月の第13回、9月の第14回、2014年1月の第16回では、ケイティ・サレン&エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』下巻(ソフトバンククリエイティブ)を少しずつ精読しております。

 2013年11月の第15回は、明神下ゲーム研究会と合同開催で、「Mission Impossible 04 発達障害と想像力の世界」の開催準備の話し合いを行ないました。
 今後もAnalog Game Studiesは、より良いアウトプットを行なうために、読書会と議論を続けて参ります。

 このおよそ1年の間に、Analog Game Studiesのメンバーが行なった活動の一部をご紹介していきます(AGS内記事執筆・査読等を除く)。
 顧問の草場純氏は、小野卓也『ボードゲームワールド』(スモール出版、2013年5月)の座談会に参加し、また、2013年6月28日に「週刊金曜日」の東京南部読者会の催しで「左手利きと教育」についての講演を行ないました。「週刊プレイボーイ」2013年10月28日号、「日経流通新聞」2014年1月13日付のボードゲーム記事で取材を受け、コメントが掲載されました。また、アークライトから発売された『ククカード』のルール執筆と解説を担当しています。

 加えて人工知能研究者にしてゲームAIの開発者である三宅陽一郎氏との対話記事「ゲームデザイン討論会」が好評を集めました。その他、各種ゲーム関連イベントに、随時参加しています。また高田馬場の日本点字図書館3階会議室にて、視覚障害の当事者・支援者と「視覚不要! RPG この町を救え」を開催しました。
 AGS代表の岡和田晃は、「Role&Roll」に連載されている『エクリプス・フェイズ』関係の記事、および「SF Prologue Wave」の『エクリプス・フェイズ』企画に毎号協力しています。また、『ホームズ鬼譚~異次元の色彩』(創土社、2013年9月)に収録されたフーゴ・ハル「バーナム2世事件」への協力も行ないました。『本格ミステリー・ワールド2013』(南雲堂、2013年12月)では、座談会「ゲーム化しライト化する2013ミステリ」に参加。また、評論集としては初の単著『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』(アトリエサード、2013年11月)を刊行し、「日本経済新聞」「SFマガジン」「小説推理」「紀伊國屋じんぶん大賞」といった媒体で評され、日本図書館協会の選定図書とされました。

 イベントは「Role&Roll Station」で継続的に開催されている『エクリプス・フェイズ』体験会、『ウォーハンマーRPG』オンリーコンベンションといった会話型RPGのイベントにゲームマスターとして携わり、JGC(ジャパンゲームコンベンション)2013での『ハーンマスター』体験会、発達障害の特性を持つ当事者・支援者・会話型RPG(テーブルトークRPG、TRPG)の専門家が一同に集い共に楽しむコラボレーションイベント「Mission Impossible03 発達障害と想像力の世界」(2013年6月)、同じく「Mission Impossible04 発達障害と想像力の世界」(2013年11月)にもゲームマスターとして参加しました。また、ジュンク堂書店池袋本店でのイベント「未来を産出(デリヴァリ)するために」(2013年10月)、市民講座・SF乱学講座「「伊藤計劃以後」のSFと文学」(2013年12月)等で講演を行いました。その他、各種雑誌や新聞等に寄稿を行なっています。詳しくは岡和田晃のウェブログをご参照ください。
 伊藤大地は、『ウォーハンマーRPG』オンリーコンベンションの展開に関わり、また「Mission Impossible03」、「Mission Impossible 04」にそれぞれプレイヤーとして参加しました。
 蔵原大は、第25回遊戲史学会で「遊戯から政策へ:”行政広報ゲーム”とは何か?」という講演を行い、また「Mission Impossible03」にプレイヤー参加。また「遊戯史研究」25号(2013年10月)に「近現代ウォーゲーム(兵棋演習)の歴史――二百年の変遷」を寄稿いたしました。
 小春香子は、「Mission Impossible03」(2013年6月)にプレイヤーとして参加し、2014年2月には、『エクリプス・フェイズ』小説「龍の血脈」が日本SF作家クラブ公認ネットマガジン「SF Prologue Wave」に掲載されました。
 齋藤路恵はメイン・デザイナーとして、エテルシアワークショップ・東京都成人発達障害当事者会イイトコサガシとの共同作品である会話型RPG『ラビットホール・ドロップスi』(エテルシアワークショップ、2013年11月))を完成させました。同作品はゲーム専門家や発達障害の当事者・支援者、その他コミュニケーションに関心を持つ方々に大きく評価されました。

 また、「SF Prologue Wave」に『エクリプス・フェイズ』小説「ゲルラッハの恋人」を寄稿。イベントでは、「伏見健二講演会――RPGで開かれる世界――」に協力、「視覚不要! RPG この町を救え」ではゲームマスターとして参加しました。SF乱学講座で「日本における同性愛”者”の発見/発明」(2013年2月)、「会田誠 戦争画リターンズを読む」(2014年2月)の講演を行ない、また「Mission Impossible 03」、「Mission Impossible04」にゲームマスターとして参加しました。
 田島淳は、サンセットゲームズから日本語版が発売予定の『ハーンマスター』入門キット『雛菊の野』の翻訳に参加、またJGC2013『ハーンマスター』体験会、および『ウォーハンマーRPG』オンリーコンベンション、「Mission Impossible 03」にそれぞれゲームマスターとして参加しました。
 髭熊五郎は、トリックテイキングゲームオンリーイベント「Trick Taking Party vol.1」(2013年3月)、「Trick Taking Party vol.2」(2013年10月)を主催し、また「Mission Impossible 03(2013年6月)」にプレイヤー参加しました。
 八重樫尚文は、オンラインセッションツール「どどんとふ」の同人誌「どどんとふで始める初めてのオンラインセッション2013年夏の号」「どどんとふ用オンラインセッションシナリオ集 オンセの素第2号!」の編集を担当し、「Mission Impossible 03」にゲームマスター参加、「Mission Impossible 04」にプレイヤー参加しました。

【活動報告】Analog Game Studies第10回読書会報告&各種活動報告

岡和田晃

2013年1月某日、Analog Game Studiesの第10回読書会が開催されました。今回の課題図書は、ケイティ・サレン&エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』(ソフトバンククリエイティブ)で、15章「不確かさのシステムとしてのゲーム」から21章「ルールを破るということ」までの議論が行なわれました。今回の読書会で『ルールズ・オブ・プレイ』上巻の精読が終了し、時間をかけて、ゲームを理論的に捉えるための基礎を確認することができました。
ルールズ・オブ・プレイ(上) ゲームデザインの基礎 [単行本] / ケイティ・サレン, エリック・ジマーマン (著); 山本 貴光 (翻訳); ソフトバンククリエイティブ (刊)
また、今回の会合では、AGSが創設から2周年を迎えたことを機会とし、これまでの活動成果をふまえながら、新たな活動コンセプトをいかに組み立てていくべきか、抜本的な話し合いが行なわれました。
これまでAGSは、「アナログゲームを中心とした産学連携」を合い言葉に、ゲームとそれ以外の社会的要素を繋ぐべく、現場のクリエイターや研究家・学術者・ファンたちが情報発信と実践をしていくプロジェクト」として自らを位置づけ、読者の皆さま、執筆協力者の皆さまに、多大なご支援をいただき、おかげさまで、いくつもの成果を出すことができました。本当にありがとうございます。
10回目の読書会である本会では、そうした成果をふまえて、AGSが新たなステージへ踏み出すために、活動初期のコンセプトを、より具体的に、より身近に、より実践的に編成し直そうと、熱心に話し合いが行なわれました。結果、下記2点を活動の柱とし、より実践的な展開をしていくことになりました。

・ゲームと社会、そしてメディアの関わりについて、そのルールシステムの内と外から、さまざまな学術や芸術の方法論を通じてアプローチできるという事実・言説を育てていく。

・ゲームを“その場で生きたもの”として捉え、情報発信と実践を通してコミュニティの枠を広げながら、ゲームと人生を豊かにする。

併せて、本ウェブログのトップのキャッチも変更させていただきます。
改めまして、今後も皆さまのご理解・ご支援をよろしくお願い申し上げます。

・アナログゲーム専門店Role&Roll Station秋葉原店にて、2012年3月17日にポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』の体験会が開催されます。まだ参加者を募集しておりますので、ぜひお越しください。AGSメンバーが協力させていただいているイベントです。

・東京創元社のウェブマガジン「Webミステリーズ!」2013年3月5日更新号に、「第33回日本SF大賞受賞記念インタビュー――宮内悠介『盤上の夜』を語り尽くす!」と題し、第33回日本SF大賞受賞作家・宮内悠介氏を囲んだ長篇鼎談が掲載されましたが、こちらにAnalog Game Studies顧問の草場純氏と、代表・岡和田晃が参加させていただきました。『盤上の夜』はアナログゲームを題材とした小説で、Analog Game Studies読者の方でしたら、間違いなくお楽しみいただける内容です。鼎談では、ゲームの理論的側面について、かなり、突っ込んだ議論も行なわれています。無料で閲覧できますので、ぜひともご覧ください。
盤上の夜 (創元日本SF叢書) [単行本] / 宮内 悠介 (著); 東京創元社 (刊)

・2012年2月3日には、市民講座「SF乱学講座」にて、齋藤路恵氏が「日本における同性愛“者”の発見/発明」と題した講演を行ない、好評を得ました。また、AGSメンバーは、翌3月3日に開催された講座、「第二次大戦中・おらが村に落とされた一発の大型爆弾」(講師:『植民地時代の古本屋たち』の著者・沖田信悦氏)の開催協力をさせていただきました。パンプキン爆弾(模擬原爆)や、植民地の古書肆についてなど、貴重なお話を多々うかがうことができました。ご来場いただいた皆さまに感謝します。
植民地時代の古本屋たち 樺太・朝鮮・台湾・満洲・中華民国-空白の庶民史|沖田信悦|寿郎社|送料無料

Analog Game Studies第9回読書会報告&各種活動報告

岡和田晃

2012年12月某日、Analog Game Studiesの第9回読書会が開催されました。課題図書は、池田雄一『メガ・クリティック』(文藝春秋)、そして、第8回から引き続き、ケイティ・サレン&エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』(ソフトバンククリエイティブ)を使用しました。

メガクリティック―ジャンルの闘争としての文学 [単行本] / 池田 雄一 (著); 文藝春秋 (刊)ルールズ・オブ・プレイ(上) ゲームデザインの基礎 [単行本] / ケイティ・サレン, エリック・ジマーマン (著); 山本 貴光 (翻訳); ソフトバンククリエイティブ (刊)
池田雄一『メガ・クリティック』は、現在の文芸ジャーナリズムを取り巻く言説が――とりわけブロックバスターを求める状況のうちで――狭いジャンル論の枠組みのなかへ自らを回収しようする状況が存在するとして、そうした自体がいかなる構造のうちに成り立っているのか、きちんと見極める眼差しのあり方を文学作品の読解を通じて提示する書物でした。参加者は本書の言説の背後にはどういった文脈があるのかを確認し、ゲームにも強い影響を及ぼしている「ジャンル」について、それぞれの考えを話し合いました。

サレン&ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』については、かつてAGSでも簡単に紹介したことのあるゲーム批評の基本書ですが、その精読の続きを行ないました。今回は8章から14章までのレジュメが作られ、密度の高い討議が交わされました。

・Analog Game Studies顧問の草場純氏が、台湾製のカードゲーム『Desire』の日本版ルールを作成しておりましたが、公式サイトから無料ダウンロード可能になりました。ご興味のある向きはぜひダウンロードしてみてください。

・Analog Game Studiesでは、市民講座「SF乱学講座」に協力し、関連記事を掲載してまいりました。「SF乱学講座聴講記:蔵原大「ウォーゲームの歴史――クラウゼヴィッツ,H.G.ウェルズ、オバマ大統領まで」」(齋藤路恵)「SF乱学講座聴講記 門倉直人、小泉雅也「日本昔話「昔々、あるところでポストヒューマンが……」――その後の日本神話とデジタル物理学から」」(田島淳)を参照いただけましたら、幸いです。
そして2012年2月3日には、齋藤路恵氏が「日本における同性愛”者”の発見/発明」と題した講演を行ないます。ご興味のある方は、ぜひお越しください。詳しくはSF乱学講座公式サイト、または「SFマガジン」2012年3月号の告知をご覧ください。

・2012年1月13日に、岡和田晃が「Role&Roll」100号記念コンベンション「R-CON100」にゲームマスターとしてゲスト参加させて頂きました。「Role&Roll」Vol.100には、Analog Game Studies1周年企画として「ゲームブック温故知新――「ブックゲーム」という冒険」に多大なご協力を頂きましたフーゴ・ハル(HUGO HALL)さまの新作ブックゲーム「タダ乗り師ホーボーの攻防」が掲載されています。要チェックです。
Role&Roll Vol.100 [単行本] / アークライト (編集); 新紀元社 (刊)
・日本SF作家クラブ公認ネットマガジン「SF Prologue Wave」にて、『エクリプス・フェイズ』のシェアードワールド小説企画第2期が開始されています(http://prologuewave.com/archives/2351)。AGSメンバーは翻訳チーム参加、雑誌記事チェック、イベント支援などの協力をさせていただいております。
・アナログゲーム専門店Role&Roll Station秋葉原店にて、2012年2月16日に『エクリプス・フェイズ』体験会が開催されます。まだ参加者を募集しておりますので、ぜひお越しください

・AGSが協力させていただいております、『ウォーハンマーRPG』体験会の第9回が、Role&Roll Station秋葉原店にて、2012年2月11日に開催されます。すでに定員に達し、締めきりましたが、今年も『ウォーハンマーRPG』体験会は開催して参りますので、実行委員会のウェブログをご確認ください。参加者アンケートをはじめ、もろもろの関連情報が掲載されております。ぜひお立ち寄りください。

その他、AGSメンバーは個々の名義で商業誌にて執筆活動、個別に活動を行なっております。代表・岡和田晃は、2012年1月18日に、ジュンク堂書店池袋本店で、『まだ間に合う「ハヤカワSFコンテスト」』トークショウの司会をつとめました。その他、新聞やゲーム専門誌、各種文芸誌、学術出版社の雑誌等に寄稿・協力しています。詳しくは岡和田晃の個人サイト「Flying to Wake Island」をご覧ください。

「忘れたという、その空白の隙間で--門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」(「21世紀、SF評論」)

【外部活動紹介】「忘れたという、その空白の隙間で--門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」
岡和田晃

―――――――――――――――――――――――――――――

Analog Game Studiesにおける活動ではありませんが、Analog Game Studiesメンバー(今回は岡和田)の活動のうち、Analog Game Studiesの読者の方々へ、特にご紹介したい活動がひとつございます。

日本SF評論賞チームの公式ウェブログ「21世紀、SF評論」に、Analog Game Studiesでもレポート記事が掲載された会話型RPG『ローズ・トゥ・ロード』について、物語論の知見から分析した長篇評論「忘れたという、その空白 の隙間で--門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」を掲載いただいております。主にトールキンの凖創造論を軸として、「門倉直人」という固有名を物語論 (ナラトロジー)の地平に思いきり引き寄せる作業を行ってみました。

「忘れたという、その空白の隙間で--門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」(「21世紀、SF評論」)
http://sfhyoron.seesaa.net/article/173296285.html

昨年私がSF乱学講座という市民講座で公開講義を行なった際、聴講されていた翻訳家の増田まもるさま(J・G・バラード『千年紀の民』の翻訳が近刊予定) から、アナログゲームの有する可能性の一つに、いわゆる(フィクションにおける)オールドウェーヴの「読み直し」があるのではないかというコメントをいた だきました。

ここから翻って考えるに、アナログゲームが既存のフィクションの「読み直し」として機能するとすれば、フィクション内部での革新運動、例えばSFのニューウェーヴ運動については、ゲームという文脈でいかなる「読み直し」を与えられるのでしょうか?

かつて「オフィシャルD&Dマガジン」誌ではライターの藤川俊一氏と滝祐一氏との対談において、J・G・バラードの「時の声」と『ダンジョンズ& ドラゴンズ』が同一の地平で語られましたが、そこで示唆された「読み直し」の位相の重要性は、増田まもるさまのご指摘と相俟って、今後ますます高まりを見 せるのではないかと思われます。

例えばニューウェーヴ運動は、ラングドン・ジョーンズの編纂したアンソロジー『新しいSF』に 象徴されるように、時代が要請した最も先鋭的な表現でもありました(ジョーンズとともにニューウェーヴ運動を牽引したマイクル・ムアコックは『新しい SF』の序文において、『新しいSF』収録作を「読者志向」であり、「大衆との関わりを念頭に置いている」と告げています!)。

そして今回の論考では、あくまで試論レベルではありますものの、そうした地点を瞥見することができたと自負しております。どうぞ、ご笑覧いただけましたら幸いです。

また今後は、【外部活動紹介】というカテゴリーのもと、Analog Game Studies外で(主にメンバーや協力者の手で)発表された論考や作品、講演活動などをもご紹介していく予定でございます。ご期待下さい。

なお、増田まもるさまが管理人をつとめられるニューウェーヴ/スペキュレイティヴ・フィクションのサイト、「Speculative Japan」(http://speculativejapan.net/) は、Analog Game Studiesをブログロールに登録して下さっています。「ゲームについての思弁が人間理解に欠かせないことは、いうまでもありません」とのお言葉を下 さった増田まもるさまに感謝いたしますとともに、今後ともいっそうの友誼をお願い申し上げる次第です。(岡和田晃)