「『クク大全』を遊ぶ会」のご案内

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「『クク大全』を遊ぶ会」のご案内

 岡和田晃

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 昨年、黒宮公彦『クク大全』(ニューゲームズオーダー)が出版されました。伝統ゲーム『クク』について日本語で書かれた、最も詳しい解説書です。
 関係者曰く、「全282ページ、めくってもめくっても『クク』のルールか『クク』の歴史しか書いていない、という恐るべき本」。
 そのためか、仔細な情報が詰まっているのはよいが実際にプレイしてみないとイメージがわかない、という意見もまま見受けられるようです。
 そこでAnalog Game Studiesでは、『クク大全』に掲載されたゲームを遊ぶイベントを、2016年3月7日(月)に開催することになりました。コーディネーターは、同書の刊行に尽力し帯文を寄稿した草場純(ゲーム研究家、Analog Game Studies顧問)です。
 試験的なイベントのため、平日ではありますが、ご興味のある方は是非お越しください。もちろん、『クク』をはじめアナログゲーム初心者の方も歓迎いたします。

日時:2016年3月7日(月)14:00~18:00(予定)
会場:東中野ディアシュピール(http://www.dear-spiele.com/)
費用:規定の会場費がかかります。ご負担をお願いいたします。
持ち物:黒宮公彦『クク大全』(ニューゲームズオーダー)持参が望ましいですが、必須ではありません。
予約方法:analoggamestudies1★gmail.com(★⇒@)に、「『クク大全』を遊ぶ会参加希望」と表題に添え、「本名、連絡用携帯電話番号、ゲーム歴(ふだん遊ぶゲーム)、『クク大全』を持っているかどうか」をお書きいただき、メールにてお申し込みください(個人情報は厳守します)。
 ※募集は少人数、定員に達し次第、締め切りとなります。

【草場純先生のゲーム会】

【草場純先生のゲーム会】

AGS顧問の草場先生が主宰するゲーム会のリストです。
他にも多々ありますが、近々で行われるものだけピックアップしました。
予約不要なので、皆さま飛び入りでどうぞ!

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2016年1月27日水18時~ 大井町マーブル トランプ夜会 1500円
1月29日金20時~ 高田馬場ブリッジセンター ボードゲーム読書会 200円
1月30日土19時~ 高田馬場ブリッジセンター ブラックレディ大会 400円
2月01日月19時~ 大久保ゲームスペース柏木 ごいた東京支部例会 1000円
2月03日水19時~ 高田馬場ブリッジセンター ドラフツ例会 400円
2月05日金19時~ 高田馬場ブリッジセンター ブリッジ例会 400円
2月06日土13時~ 高田馬場点字図書館 ゲームを楽しむ会 0円
2月06日金19時~ 高田馬場ブリッジセンター カードゲーム講座 400円
2月07日日13時~ 巣鴨 東洋文庫 ゲームデザイン公開討論会 1500円
2月07日日18時~ 高井戸区民センター SF乱学講座 1000円
2月08日月 元日
2月09日火18時~ 戸山 社会教育会館 バックギャモン例会 200円
2月13日土19時~ 高田馬場ブリッジセンター スカートのミニ大会 400円
2月19日金19時~ 高田馬場ブリッジセンター ブリッジ小会 400円
2月20日土19時~ 高田馬場ブリッジセンター ノートランプのミニ大会 400円
2月26日金20時~ 高田馬場ブリッジセンター ボードゲーム読書会 200円
2月27日土19時~ 高田馬場ブリッジセンター ライヤーズダイス大会 400円
2月28日土12時~ 上石神井ビューハイツ フェアリーギャモン大会 640円

【活動報告】Analog Game Studie各種活動報告(2015年5~8月)&『ハーンマスター』体験会のお知らせ

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【活動報告】Analog Game Studie各種活動報告(2015年5~8月)&『ハーンマスター』体験会のお知らせ

 岡和田晃
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 2015年5~8月のAnalog Game Studiesの活動報告をさせていただきます。

 新体制のAnalog Game Studiesでは、遊戯史学会の分科会となったボードゲーム読書会@高田馬場と合流し、The Oxford History of Board Games (David Parlett, 1999)、バーナード・スーツ『キリギリスの哲学』(川谷茂樹&山田貴裕訳、ナカニシヤ出版、邦訳2015)といったテクストをメンバーが毎月、読み進めております。

 それとは別に行なった試験的なゲーム会では、ゲストに北島一幸氏、倉数茂氏らを迎え、2015年5月には『パラノイア 【トラブルシューターズ】』、8月には『エクリプス・フェイズ』をプレイすることができました。

 これらの活動と並行して、7月30日発売の「TH(トーキング・ヘッズ叢書)」No.63では、岡和田晃が安田均&秋口ぎぐる『アルケリンガの魔海』のレビュー等を、田島淳が『パラノイア 【トラブルシューターズ】』論を、またゲストの西村遼氏は「東京マッハVol.14 そして夏 そして浅草男祭り」のレポートを、それぞれ寄稿しています。

 8月14日に頒布された「TRPGシナリオ作成大全 Volume 5」ででは、高橋志行が「馬場秀和RPG論集註解:ゲームマスターの「自律の思想」を読み解く」を寄稿しています。
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 8月25日に発売された「SFマガジン」2015年10月号「特集 伊藤計劃」では、岡和田晃が「伊藤計劃読者に薦める「次の10冊」ガイド【ノンフィクション】」内にて、ケイティ・サレン&エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』を紹介しています。

 8月28日に発売された「ナイトランド・クォータリーvol.02 邪神魔境」では、岡和田晃が「ケルトの原像と、破滅的リアリズム――フィオナ・マクラウドとRPGから、ロバート・E・ハワードの“昏さ”を捉える」を寄稿。仲知喜がアドバイスと資料提供を行ないました。ヒロイック・ファンタジーの定義の再考にまで遡行し、そこから『クトゥルフ神話TRPG』や『ウォーハンマーRPG』のある部分にも通じる、ケルト性について思考しています。その他、岡和田は「Role&Roll」ほか各誌・新聞等で精力的に活動しています。

 AGS顧問の草場純氏の活動は、多岐にわたるため、また別項で紹介いたします。

 また、これは9月の活動となりますが、ジャパンゲームコンベンション(JGC)2015のサンセットゲームズのブース内にて、本格ファンタジーRPG『ハーンマスター』の体験会を開催します(JGC2015の会期は9月4~6日ですが、体験会は5日と6日)。詳細は日本SF作家クラブの公式ウェブサイトで告知されていますので、こちらをご覧くださいませ

《遊戯史学会2015年05月23日》

突然ですが遊戯史学会の活動ご案内です
今回は、増川宏一先生と江橋崇先生(法政大名誉教授)のダブル講演あります

 蔵原大(遊戯史学会理事)
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■ 日時:2015年5月23日土曜日1330時~1630時
■ 会場:東京富士大学本館142教室
■ アクセス:山手線・西武新宿線・地下鉄東西線 高田馬場駅北口(早稲田口)下車、
 さかえ通りを北西へ3分歩いた橋の向こう正面(橋は渡らない)。

■ 参加費:500円(予約不要です)
■ 内容:
 講演1 「絵双六と広告、宣伝」 増川宏一会長
 講演2 「消えた『ことば遊びカルタ』の謎」 江橋崇副会長
※18時ごろに大学近くで有志の懇親会あるかもしれません

《ゲームデザイン討論会3/14―公開ディスカッション》

遊戯史学会と日本デジタルゲーム学会は、3月14日、ゲームデザインの過去・現在・未来をトコトン探求する公開討論会を行います。題して「ゲームデザイン討論会―公開ディスカッション」。

これまでツイッターで行われてきたゲームデザイン討論会ですが、今回はリアル・ワールドで対面しながらのトークバトルです。

●日時:03/14(土曜)13:30~16:00
●場所:東京・神保町の奥野かるた店 2F( http://www.okunokaruta.com/)
参加は予約制で定員40名(参加費1500円, 詳しくはhttp://www.gameshistory.net )DSC_0110

トークのテーマは「奥野の百年、ゲームデザインの千年」。奥野かるた店の約100年の歴史を振り返りながら、デジタルゲームとアナログゲームの双方の知見からゲームデザインを幅広く語り合います。もちろん参加者からの飛び入り発言、大歓迎!

パネリストは、デジタルゲーム界から『ゼビウス』『ドルアーガの塔』の開発者として知られる遠藤雅伸氏、それにAI研究者の三宅陽一郎氏。アナログゲームからは「ゲームマーケット大賞」委員長で当AGS顧問の草場純氏、ゲーム紹介サイト“Table Games in The World”の小野卓也氏、ゲーム店「ドロッセルマイヤーズ」の渡辺範明氏が参加します。司会は遊戯史学会理事で当AGS会員の蔵原大。

参加申し込みは遊戯史学会サイトから( http://www.gameshistory.net )
申込者が定員を上回る場合、抽選となりますので、ご注意を!

【草場純先生のゲーム会】

【草場純先生のゲーム会】
草場純・蔵原大

AGS顧問の草場先生が主宰するゲーム会のリストです。
他にも多々ありますが、近々で行われるものだけピックアップしました。
予約不要なので、皆さま飛び入りでどうぞ!

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●日時:1月31日(土)19~21時半
●場所:高田馬場ブリッジセンター
(http://www.jcbl.or.jp/home/store_club/takadanobaba/tabid/90/Default.aspx)
●参加費:400円
●ゲーム内容:トランプのブラックレディ
(http://www.gamefarm.jp/modules/gamerule/page.php?game=blacklady.html)
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●日時:2月2日(月)19~22時
●場所:新宿にある「ゲームスペース柏木」
(http://www.gamerent.net/accessmap.php?d=20150122)
●参加費:1000円
●ゲーム内容:将棋のコマを使った「ごいた」
(http://www.kanda-zatsugaku.com/070921/0921.html)
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●日時:2月4日(水)19~22時
●場所:高田馬場ブリッジセンター
(http://www.jcbl.or.jp/home/store_club/takadanobaba/tabid/90/Default.aspx)
●参加費:400円
●ゲーム内容:チェッカーの亜種「ドラフツ」
(http://www.wmsg-teamjapan.jp/idx_checkers.htm)
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●日時:2月6日(金)19~24時
●場所:高田馬場ブリッジセンター
(http://www.jcbl.or.jp/home/store_club/takadanobaba/tabid/90/Default.aspx)
●参加費:400円
●ゲーム内容:トランプの「ブリッジ」
(http://www.jcbl.or.jp/home/introduction/what/tabid/156/Default.aspx)
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●日時:2月7日土13~17時
●場所:高田馬場の日本点字図書館
(http://www.nittento.or.jp/map/index.html)
●参加費:0円
●ゲーム内容:百人一首等
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●日時:2月7日土19~21時半
●場所:高田馬場ブリッジセンター
(http://www.jcbl.or.jp/home/store_club/takadanobaba/tabid/90/Default.aspx)
●参加費:400円
●ゲーム内容:トランプ
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遊戯史学会の新サイト&無料ゲーム会

《遊戯史学会の新サイト&無料ゲーム会》
 [蔵原大・遊戯史学会広報担当理事]

遊戯史学会はこのたびサイトをリニューアルしました。
今後ともよろしくお願いいたします。

■ 遊戯史学会新サイト:http://www.gameshistory.net/

さて11月22日の例会(1330~1620時)では、高田馬場にある東京富士大学キャンパスで開かれます
「五目並べ」とカードゲームの歴史に関する研究発表(&プレイ会)が行われる予定

■ 詳細は東京富士大学サイト(下写真)で公開中:http://www.fuji.ac.jp/app-def/S-102/wp/?p=7153
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なお今回の例会では、二つの特別イベントが開催予定です。
■ ①.神保町の「奥野かるた店」から特別ブース出張
■ ②.ゲームプレイ用の特別ワークショップ(参加費無料、先着10名)

①は、神保町のゲームショップ「奥野かるた店」から、同店の会長とスタッフが出向されて、最新アナログゲームの即売会が予定されています。

②は、例会(1330~1620時)の後、発表で紹介されたゲームを実プレイする特別ワークショップが開かれる予定です。
参加費無料。先着順で10名。ゲーム他の資材は、すべて学会でご用意します。

お問い合わせについては、下記学会サイトからお願いします。

■ 遊戯史学会:http://www.gameshistory.net/

例会の会場である東京富士大学は、高田馬場駅から徒歩5分のところです。
駅の早稲田改札口から「さかえ」通り(下写真)をぬけてすぐそこ。
どうぞお気軽にお越しください。
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日本デジタルゲーム学会の2014年夏季研究大会にて、蔵原大が共同研究発表に参加します

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日本デジタルゲーム学会の2014年夏季研究大会にて、蔵原大が共同研究発表に参加します

 岡和田晃 (協力:蔵原大、高橋志行)

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 今やゲーム産業は2012年度時点で1兆円の市場規模にまで拡大しています。また、医療・教育・文学研究や歴史研究の領域からも注目を集めています(詳しくは、下記の資料をご参照ください)。

・今井麻裕美編(2013)『2013 ゲーム産業白書』メディアクリエイト.
・経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課(2012年12月)「【参考資料】現状分析編(各論)」(http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/121226-2.pdf)
・福岡市委託事業 九州大学シリアスゲームプロジェクト. (http://macma-lab.heteml.jp/)
・藤本徹(2007)『シリアスゲーム 教育・社会に役立つデジタルゲーム』東京電機大学出版局.

 そんななか、デジタルゲームの研究者や企業人が数多く集う学術団体「日本デジタルゲーム学会」(DiGRA Japanは、2014年8月24日(日曜)、東京工科大学キャンパスにて夏季研究大会を催します。同会の会員でなくても参加可能なイベントとなっています(http://digrajapan.org/?page_id=1297 )。
 そこでこのたび、Analog Game Studiesメンバーの蔵原大氏が、同大会で、クラウゼヴィッツ『戦争論』をゲーム化した手法に関する発表を行う予定となりました(他の発表者との共同発表)。概要は以下の通りです。

●発表名: 保田琳・蔵原大「クラウゼヴィッツ『戦争論』と「科学の時代のゲーム」」
●夏季大会紹介: http://digrajapan.org/?page_id=1297
●プログラム(02頁目を参照のこと):
http://digrajapan.org/summer2014/DiGRAJ_summer2014_schedule.pdf

 蔵原氏は、「今回の発表では、社会科学の理論モデルをゲームとして表現することで、理論を学ぶというより実感する方法の解説に主眼を置いています。いささか極端な言い方が許されるなら、学術における、ある種のPR(Public Relation)を模索していると言えるかもしれません。クラウゼヴィッツ風に述べるなら、学術的理論を啓蒙できる現代のゲームは「他の手段をもってする”学術”の継続」だということをご説明したいと思います」と、その意気込みを語っています。

 なお上記の研究大会では他にも、現役のクリエイターやメディア研究に携わる学術者たちが、興味深いパネル発表を行なう予定となっています。アナログゲームに興味がある方も、それぞれの関心にあわせ、何かしら有用なパネルを見つけることができるはずです。現代のゲームが、いかにクラウゼヴィッツの理論と切り結ぶのか。AGSメンバーの発表にご注目いただけましたら幸いです。

5/31 遊戯史学会のご案内

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<5/31 遊戯史学会のご案内>
 草場純(遊戯史学会理事・当AGS顧問) 解説・記事編集:蔵原大

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【解 説】 蔵原大
 ゲームの歴史を研究する遊戯史学会の総会が、5月に東京で開かれる予定です。ご聴講される際の予約は不要ですので、お気軽においでください。下記「本文」を書かれた学会理事の草場純先生は、これまで『ゲーム探検隊』などを執筆される他、最近ではTwitter上で「ゲームデザイン討論会」を催されています(AI研究者の三宅陽一郎先生と連名)
 
 なお遊戯史学会における研究の方向性につきましては、学会会長が書かれた「増川宏一語る「研究の切り口」」をご参照ください( http://analoggamestudies.com/?p=199 )

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【本 文】 草場純

 2014年5月31日土曜日東京都世田谷区太子堂2-16-7 世田谷産業プラザ大会議室にて遊戯史学会第27回総会が開かれます場所は東急田園都市線三軒茶屋北口下車徒歩2分 のところですので、どうぞおいでください。資料代500円です。(遊戯史学会員は無料) 時間は14時~17時で、その後懇親会も計画されています。

●<参 考> 世田谷産業プラザ:
https://www.setagaya.co.jp/institution/51_setagayasangyou.html

 さて、内容ですが、恒例により今回も講演が二つです。

講演1 「『厩図屏風』の中の盤上遊戯」       田中規之氏
講演2 「長崎奉行所犯科帳にみるカルタ賭博の実態」  江橋崇氏

講演1について
 田中規之(たなか・のりゆき)氏は長く遊戯史学会監事を務められ、特に文献資料の少ない古代のゲームについて、さまざまな資料を紹介されてきました。今回の「厩図屏風」(うまやず・びょうぶ)は、文字通り屏風に厩(うまや)の絵を描いたものです。初期のそれは専ら厩(うまや)につながれた何頭かの馬を描くだけものでしたが、時代が降るに従い、半ば社交場と化してきた厩(うまや)の周りで、将棋や双六を遊ぶ様子がリアルに描かれたものが現れます。特に重要文化財ともなっている16世紀頃の成立とされるものは、ゲームの局面もかなり辿れます。今回はおそらくそこに着目した発表になるのではないかと、期待されます。

●<参 考> 繋馬図屏風(厩図屏風):
C0005738
【重要文化財。16世紀頃の作。画像提供:東京国立博物館 http://www.tnm.jp/
(画像の無償利用の範囲と条件について:http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1372

●<参 考> 「厩図屏風」(うまやず・びょうぶ)は切手にもなっています。
0040040009872
http://www.kennedystamp.jp/shopdetail/004004000987/004/X/page3/product/

講演2について
 江橋崇(えばし・たかし)氏は法政大学の憲法学の教授でしたが、昨年度定年退職され、これからは「本業」のカルタ研究に打ち込むと話されていましたので、特に今回の発表は楽しみです。氏は、日本のカルタ研究の第一人者で、「遊戯史研究」誌には、かつて三回にわたって花札の歴史も執筆されていました。遊戯史では資料の不足がいつもネックになりますが、特に当事者が記録を残さない賭博の領域では、決定的に資料が不足しています。というわけで、正確で詳細な記録は、むしろそれを取り調べた司法側に遺されていることが多いのです。今回もそうしたアプローチだと思われますので、一層期待が高まります。

●<参 考> 江橋崇―Wikipedia:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%A9%8B%E5%B4%87

●<参 考> 「ナガジン」発見!長崎の歩き方:「犯科帳が教える江戸期の長崎」:
title1012
http://www.city.nagasaki.lg.jp/nagazine/hakken1012/index.html

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市立小樽文学館企画展「テレビゲームと文学展」レポート

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市立小樽文学館企画展「テレビゲームと文学展」レポート

  岡和田晃 (協力:玉川薫(市立小樽文学館)、八重樫尚史、高橋志行)

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 2012年8月11日から9月23日まで、北海道の小樽市にある市立小樽文学館において、「テレビゲームと文学展」という企画展が開催されました。
 日本各地には様々な文学館が存在していますが、なかでも「テレビゲーム」と「文学」の関わりをテーマとして大々的に打ち出すというのは、きわめて珍しい試みです。

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【「テレビゲームと文学展」フライヤー】

 文学館というと古臭くて堅苦しいというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。けれども、そうしたイメージを払拭すべく、文学館の側も革新的な試みを打ち出すようになってきています。
 同じく北海道にある札幌の北海道立文学館では2014年2月8日か~3月23日まで、日本におけるスペキュレイティヴ・フィクション(思弁小説としてのSF)の第一人者であり、北海道におけるSFファンダムの始祖的な存在である作家・荒巻義雄をテーマに据えた「「荒巻義雄の世界」展」が開催されました。同展では、スペースオペラや伝奇ロマン、あるいは脳科学や精神医学、コンピュータ・サイエンスへの関心を全面に押し出され、著名なSF作家やSF評論家を交えたシンポジウムなども執り行われました。

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【「「荒巻義雄の世界」展」フライヤー】

 小樽市は小林多喜二や伊藤整を輩出した古き良き文学の街でもありますが、加えて、荒巻義雄や川又千秋といった、スペキュレイティヴ・フィクションの代表的な作家と縁が深い街でもあります。
 その市立小樽文学館での「テレビゲームと文学展」は、会期中に1335人の来場者を集め、盛況だった模様です。2014年4月4日~6月8日の期間には、「ゲームと文学」シリーズ第二弾としまして、「ボードゲームと文学展」も開催される予定となっています。そこで第一弾にあたる「テレビゲームと文学展」の模様を、簡単にご紹介してみたいと思います。

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【会場写真】

 展示は、大きく第一部「テレビゲーム史」、第二部「ゲームを生んだ文学、文学を生んだゲーム」、第三部「テレビゲームと文学の身体性・双方向性」に分けられます。
 第一部の冒頭に掲げられたコンセプトは、下記のようなものです。このコンセプトに加えて、黎明期から家庭のエンターテインメントとして定着するまでの「テレビゲーム史」が、1952年のコンピュータと対戦する三目並べ『OXO』の登場にまで遡る形で解説されます。

 テレビゲームは、1950年代に生まれ、80年代の家庭用ゲーム機の爆発的普及で、日本、さらに国際的にも世代を超えた遊びになりました。
 テレビゲームは、それよりはるかに長い歴史をもつ「書物による文学」と密接な関係があります。
 またテレビゲームの双方向性(遊び手によって物語自体が変化していく)と体感性は、従来の読書における作者と読者の関係にも変化をもたらしています。
 そしてテレビゲームで定着した複数の遊び手の同時参加により物語が変化するおもしろさは、ネット小説を生み出す原動力になり、文学の未来をも予感させます。
 この企画展は、テレビゲームと、その下地となったパーソナルコンピュータ技術、そして伝統的な文学の歴史を紹介し、相互の影響を考察しながら、テレビゲームを「文学的視点」で見直すものです。
 本展にあたり、多大なご協力をいただいた方々に、心より御礼申し上げます。

 第二部では、まず「世界の神話・民話・伝承・古典」と題して、『ギルガメッシュ叙事詩』、『ラーマーヤナ』、『聖書』、『古事記』、『イーリアス』、『アーサー王伝説』、北欧神話や御伽草紙が、「そのほとんどが作者不明で口承(こうしょう)で伝えられました。あらゆる物語の母胎(ぼたい)であり、ファンタジー文学の原郷(げんきょう)であり、おおくのテレビゲームの主人公が活躍(かつやく)する世界でもあります。」と紹介されました(年若い参加者でも理解できるように、適宜ルビがふられています)。
 続いて、「文学とテレビゲームをつなぐカギ、それが「テーブルトークRPG」」と題して、アナログゲームそれも会話型RPG(テーブルトークRPG、TRPG)の役割が、次のように強調されました。

 「テレビゲームと文学展」で、もっともたいせつなカギになるこの「TRPG(テーブルトークアールピージー)」について、うんとかんたんに説明しましょう。
 テレビゲームがすきな人はもちろん、やったことのない人、きょうみのない人でも「ドラクエ」は知っているでしょう。
 そのゲームは「勇者(ゆうしゃ)」が主人公であり、それはゲームをするあなたです。「勇者」はひと
りで旅をはじめますが、とちゅうで出あった戦士(せんし) 、魔法(まほう)つかい、商人(しょうにん)、あそび人(にん)が仲間になります。たたかった敵がともだちになり仲間(なかま)にくわわることさえあります。
 旅にはいろいろな困難(こんなん)がまちうけています。大嵐(おおあらし)や火山(かざん)、まよいこんだら出るのがむずかしい洞窟(どうくつ)。そしておそいかかってくる敵。
 とくいな力、欠点もある仲間とたすけあいながら困難をのりこえ、そのたびに「勇者」も仲間たちも成長していき、智恵(ちえ)も力もおおきくなっていきます。
 またその力にふさわしい「聖(せい)なる剣(けん)」なども手にすることができるようになります。
 そして最後にまちかまえている最大最強(さいきょう)のとりでと敵。それをのりこえ、たおさなけれ
ば「勇者」は「ほんとうの勇者」になることはできません。
 このようなゲームは、何かににていると思いませんか? 映画「ロード・オブ・ザ・リング」、その原作「指輪物語(ゆびわものがたり)」。そして「ナルニア国ものがたり」「ゲド戦記(せんき)」。「ネバー・エンディング・ストーリー(はてしない物語)」「モモ」。映画の「スターウォーズ」さえ、そのながい物語はまるで「ドラクエ」のようです。
 これらの物語は、世界じゅうに古(ふる)くからつたわる神話や伝説におおくのヒントをえています。だから国や年にかんけいなく、たくさんの人たちの心をとらえ、感動させます。
 これらの物語をどだいにして、それをみんなであそぶゲームにしたのが「テーブルトークRPG」です。ゲームに参加する人たちが、それぞれ「戦士」になり、「魔法つかい」や「妖精」になり「商人」や「あそび人」になったりする。みんなはこの国におおきな災難があることをしって、それを解決するために、つれだって旅にでます。そしていろいろな困難にであい、そのつど力をあわせてのりこえていきます。
 この「テーブルトークRPG」こそ、「ドラクエ」「ゼルダ」「ファイナルファンタジー」など、みんながだいすきなテレビゲームのもとになった遊びであり、「文学とテレビゲーム」をつなぐもっともたいせつなカギなのです。

 それにあわせて、何も知らない人でも理解できるように「TRPGとは?」といった解説、「ミニチュアを使用した戦争(ウォー)ゲーム」の古典であるH・G・ウェルズがデザインした“Little Wars”に、同作をルーツに持つ(『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の前身)でもある戦争ゲーム“Chainmail”の解説を含んだ「TRPGの誕生と発展」、さらにはゲームブックやリプレイの説明なども盛り込んだ「日本のTRPG」といった解説パネルが掲示され、実際に『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版の「赤箱」、『ルーンクエスト』といったRPGのボックスが展示されました。
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【RPGのボックス展示(写真は「日本一周ぶらり旅」さまより引用)】

 とりわけ面白いのはプレイバイメール(郵便を使って遊ぶRPG)風の企画「ヲタブンQuest 往きて還りし物語」が実際にプレイされたことでしょう。「往きて還りし物語」とは物語の基本的な構造で、現在映画化されて大変な好評を博しているJ・R・R・トールキンの『ホビットの冒険』でも採用されています。この企画は北海道大学RPG研究会が協力し、20人もの参加者を集め、好評を博したということです(北海道大学RPG研究会のほかにも、今回の「テレビゲームと文学展」には、藤井昌樹さま・宮崎佳奈さまが、パネルの文章執筆やゲームデザイン等、さまざまな協力を行っておられます)。
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【「ヲタブンQuest」で使用された各種シート】

 第三部では、「身体性」および「双方向性」という、ゲームを考えるにおいて欠かせない視点から、アクションゲーム、格闘ゲーム、体感推理ゲーム、ノベルゲーム、といった試みと「文学」の関係が模索されました。
 「身体性」が主軸となるアクションゲームを分析するにあたっては、「距離」や「間合い」といった視点が不可欠だとの指摘がなされ、ハードウェアやインターフェースの性能向上とともに、3D-CGのような三次元の感覚、あるいは体感型コントローラーの導入などが行なわれてきたと説明されます。面白いのは、直木三十五の剣豪小説『討入』と対比することで、そこにも「文学」とリンクする可能性が存在していることが、きちんと明示されていることでしょう。

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【「テミヤ線ファイター」(小樽文学館の側にある廃線・旧手宮線での格闘ゲーム)】

 それは、「体感型推理ゲーム」の紹介にあたっても同様で、証拠品が袋にとじこんであり、ゲームブックの嚆矢として語られることもある『マイアミ沖殺人事件』(デニス・ホイートリー)との対比で、名詞と動詞の入力で行われる初期のアドベンチャーゲームから、コマンド選択式のアドベンチャーゲームなど、ゲームシステムの違いをわかりやすくヴィジュアルで紹介しています。
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【ゲームシステムの変化が一目瞭然】

 その他、太宰治の『走れメロス』を横スクロール型のアクションゲームにしたらどうなるのかがシミュレーションされたり(『ベストセラー本ゲーム化会議』を彷彿させます)、あるいは小樽文学館の「色内広場」を舞台のオンラインゲームが構想されたりと、既成の枠組みにとらわれず、遊び心いっぱいに文学館という「場」を活かしながら、改めて「文学」のあり方が再考されているのが興味深く感じました。

 むろんここで紹介したのは、「テレビゲームと文学展」の一部にすぎません。ほかにも、展示に合わせてさまざまな参加型の企画が行われました。
 地域の文化を守り育てるために文学館が果たしている役割は、予想外に大きなものです。
 文学館に所蔵された資料のなかには、そこでしかアクセスできない貴重なものがありますし、学芸員の方々による工夫をこらした展示によって、文学を「そこにある、生のもの」として感じ取ることが可能です。
 それは、一人で本を読む経験とは、また学校で習う国語学習とは異なる展望を、私たちにもたらしてくれると確信します。
 「身体性」と「双方向性」に着目した「テレビゲームと文学展」は、知識の修得と実際の参加をうまく両立させた、意欲的な試みであることは間違いないでしょう。
 展示にあたっては著作権侵害などの恐れが生じないように工夫を凝らしつつ、企画展開催中は、会場の撮影やインターネット上での公開を積極的に推奨することで、広く浸透をはかったのことですが、そのような”開かれた”アプローチも興味深いところです。
 今年4月から開催される「ボードゲームと文学」展が、ますます楽しみになりました。

 快く資料の提供と公開許可をいただきました、市立小樽文学館の玉川薫副館長に改めて御礼申し上げます。

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企画展「ボードゲームと文学」

企画展「テレビゲームと文学」に続く、「ゲームと文学」シリーズ第2弾。
世界各地で根強い人気があるボードゲーム。その内部に組み込まれた「物語」に着目し、文学との接点を探ります。また、ゲームの盤面デザインやパッケージイラストなどアート的側面も紹介します。親子で楽しめる展覧会です。

1.魔法ゲーム「魔法のラビリンス」他
2.冒険ゲーム「小さなドラゴンナイト」他
3.おばけゲーム「3匹のおばけ」他
4.推理ゲーム「アロザ殺人事件」他
5.海賊ゲーム「海賊ブラック」他
6.動物ゲーム「やぎのベッポ」他

その他にも楽しい企画が盛りだくさんです。

会期:2014年4月4日(金)~6月8日(日)
休館日:月曜日(5月5日を除く)、4月30日(水)、5月7日(水)~9日(金)、13日(火)
入館料:一般300円、高校生・市内高齢者150円、中学生以下無料

市立小樽文学館公式サイトより引用。